カレースパイス
カルダモン
カルダモン
カルダモンはショウガ科の多年草。和名は縮砂(しゅくさ)。
成長すると2~3mになります。実を砕くと中に種が入っていますこの種を乾燥させて香辛料にします。「香りの王様」とも呼ばれ、スパイスとしては比較的高価ですが、人気のハーブです。スパイシーな香りで、マリネ、ピクルスなどの香り付けにも使われ、カレー粉の原料に欠かせないスパイスで、肉料理の匂い消しやパン、ケーキの風味づけにも使われます。
【効能】
「香りの王様」と言われるカルダモンは、料理の臭み消しとして使われ、毒も消すと言われています。
種子は日本薬局方に生薬「小豆蒄」として収録されており、腹痛、下痢、吐き気などの治療に用います。健胃作用があり、消化を促すので食べ過ぎた時などに飲むと胸焼けを防ぎ、すっきりします。
カフェインの毒性を中和するので、コーヒーを多飲される人にも良いかも知れません。
また、脂肪をとる効果もあると言われています。口臭をとる効果もあるようです。
疲労回復、整腸効果があり、火照った体を冷やすはたらきもあるとされています。
心臓機能の向上にも効果があると言われています。
【使用法】
スパイスとして使用されるのは果実の部分で、ホールのまま、もしくは中の種子を砕いて使用します。種子の乾燥品は香辛料として用いられ、カレー料理はもちろん、肉料理の匂い消しやパン、ケーキの風味付けにも用いられ、中近東のようにコーヒーにカルダモンの粉末を加えたカルダモンコーヒーを好んで飲む国もあります。
インドでは紅茶にカルダモン、クローブ、ナツメグ、シナモンなどをブレンドし、牛乳を入れた「マサラティー」が一般的に飲まれています。
【原産地】
カルダモンの原産地はインドで、生薬やスパイスとして紀元前から使われてきた最も古いスパイスのひとつです。紀元前2世紀ごろから欧州にも伝わりました。インドの他、マレー半島、スリランカ、グアテマラ、タンザニア、アラビア、エジプトなどでも産出しています。
【香りの主成分】
リモネン、シオネール、ボルネオール、d-α-テルビネオール、酢酸テルピネンなど。
キャラウエイ
キャラウエイ
せり科の二年草で、和名を姫茴香(ひめういきょう)と言います。
漢方では、生薬カツズイシとして、健胃用、口臭消しなどの目的で使われてきました。
さわやかな香り。味は甘く、やや苦みがあります。
ヨーロッパでは、キャラウェイには人や物を結びつる力があると信じられていました。このため、荷物にキャラウェイを入れて、盗難防止のお守り代わりにしていました。
アメリカの植民地時代には、媚薬的な効果があるとされ、惚れ薬の材料などに使われていました。
【効能】
胃腸薬、風邪薬としての効能を持っています。
消化不良、胃潰瘍、下痢をはじめ、生理痛、気管支炎にも効果があるとされています。
また、外用として口臭、咽頭炎などのうがい用として用いられてきました。
【使用法】
パン、ケーキ、ビスケットなどの菓子類に芳香をつけるのに使用します。
焼きりんご、アップルパイにも使われます。
肉料理のくさみ消し、キャベツを使った料理、卵料理、カレー、ピクルスにも。
ドイツの伝統料理ザワークラフトにも欠かせない材料の一つです。
【原産地】
西アジア。古代ギリシャの時代にはこのキャラウエイを使って既にパンが作られていたようです。
主産地はインド、オランダ、トルコ、イランなど。
【香りの主成分】
d-カルボン
クローブ
クローブ
フトモモ科の常緑樹で、高さ9~11mにもなります。開花前の花のつぼみを乾燥させたものが、この、刺激的なバニラ風の香りのある香辛料です。
日本では丁子(ちょうじ)、とも呼ばれ、非常に強い香気を持っているので、百里香という別名もあります。
【効能】
紀元前からのインドや中国では殺菌・消毒剤として使われていました。
生薬としては丁子(ちょうじ)として日本薬局方にも収録されていて、健胃作用があるとされ、胃液の分泌を促してくれるので、食欲増進、消化促進などの作用があります。漢方ではしゃっくりや吐き気、胃痛などを治す薬に配合されています。
口臭消し、歯痛などの鎮痛効果、体を温める効果、コレステロール低下作用、血液浄化作用、抗菌、抗ウイルス、抗酸化作用などもあると言われています。
【使用法】
肉の臭み取りとして、肉料理によく使われます。
ウスターソースやケチャップなどの加工品、焼き菓子、煮込み料理や飲みものと幅広く使われています。
【原産地】
インドネシア(モルッカ群島)。
タンザニアのザンジバルが主産地で、他にスリランカ、マダガスカル、モーリシャスなどでも栽培されています。
【香りの主成分】
香りの主成分はオイゲノール。
シナモン
シナモン
クスノキ科の常緑高木で、高さ10メートルにも達します。シナモンの樹皮をはがし、乾燥させたものが香辛料としてのシナモン。紀元前4000年ごろに既に登場し、世界で最も古くから使われてきたスパイスの1つです。
中国には紀元1~2世紀頃、日本には8世紀頃に伝わったとされています。
独特の甘みと香り、そしてかすかな辛味があり、カプチーノ等の飲料や洋菓子の香り付けのために使われています。
【効能】
体を温める作用、発汗・発散作用、健胃作用があるとされています。鎮静作用や強壮効果・食欲の増進・殺菌作用・防虫効果・解熱作用・風邪症状の緩和に加えて消化器官機能の活性化と言った効果を有します。発汗作用も含まれているので、多少料理に混ぜるとダイエット効果も期待出来るのです。
さらに、蜂蜜との組み合わせにより、様々な疾病に効くとされています。
血管がかたくなるのを防ぎ、それによってコレステロール値を下げる効果があり、血液の循環を潤沢にし、心臓に関わる病状を緩和するとされ、免疫力の強化、疲労回復、歯痛、腹痛、胃潰瘍、に効果があるとも言われています。
【使用法】
シナモンスティックは、紅茶、ジュース、などの飲料をまぜるスプーンのような用途に使われています。シナモンパウダーをコーヒーに入れると独特の香りを楽しむことができ、ケーキ類、ジャム、焼きリンゴ、パイ、などの香り付けにも使われます。
【原産地】
中国南部からベトナムのあたりと言われています。
現在の主な産地はセイシェル諸島で、セイロン島、スマトラ島、インドネシア、インドなどでも栽培されています。
【香りの主成分】
桂皮アルデヒド
スターアニス
スターアニス
高さ10mにも達するシキミ科の常緑樹で、別名を大茴香(だいういきょう)、八角(はっかく)といいます。アニスに似た香りがし、(アニスシードとは別物です)、ユニークな星の形から、スターアニスという名称がつきました。
漢方では、胃薬、かぜ薬として用いられています。
【効能】
抗インフルエンザの特効薬「タミフル」の原料にもなっています。
胃腸を整え、胃のもたれ、吐き気などを抑えてくれる作用があります。
エストロゲンホルモン産出促進作用があるといわれ、女性特有の、更年期障害や月経痛、生理不順など症状を軽減してくれます。
のどの炎症を和らげたり、からだを温めたりする効果もあり、風邪、気管支炎、筋肉痛やリューマチにもお勧めです。
【使用法】
中国では日常的に使用されており、北京ダックや豚足(とんそく)料理、豚の角煮、杏仁豆腐などの独特な風味のもとになっています。八角を原料とする五香粉はレバー料理の臭み消しに効き目があります。
【原産地】
中国
主産地は中国、ベトナム、インドなど。
【香りの主成分】
アネトール
セージ
セージ
シソ科の多年草。観葉植物のサルビアの仲間です。草丈は50~80cmくらいになります。語源はラテン語のsalvare(救う)で、名前の通り、万病に効く薬草として、古くから利用されてきました。
【効能】
セージは抗酸化作用が強く、殺菌作用があり、血行をよくして免疫を助ける薬草として使われてきました。
風邪・発熱・喘息・咽頭炎・口内炎・歯肉炎・生理痛・月経不順・低血圧症・消化不良・頭痛・便秘・肝臓病・心臓病・痛風・帯状湿疹など、万病に効く薬草です。
強壮作用もあり、脳を活性化し、集中力がたかまります。
神経のバランスを整え、憂うつな気分を和らげ、精神的な不安定を解消し、イライラや不安などの精神疲労で眠れない時に効果がでます。ノイローゼを改善します。
髪の毛につやを出したり、離乳時期の母乳の出を抑制する作用もあるようです。
【使用法】
肉の臭みを消す効果があり、豚肉料理、ソーセージ、レバー、鶏、羊、青身魚と良く合います。 肉のローストやひき肉料理、鳥肉料理、煮込み料理、ハンバーグにも使います。
乾燥した葉を煎じて、ハーブティーとして飲まれることも多いです。
そのほか、サラダのドレッシングに隠し味として少し混ぜると爽やかな味が出ます。
【原産地】
地中海北岸。
主産地はユーゴスラビア、トルコ、アメリカなど。
【香りの主成分】
ツヨンとシネオール。
ターメリック(うこん)
ターメリック(うこん)
ショウガ科ウコン属の多年草。
カレー粉には欠かせない原料の一つで、主成分のクルクミンの鮮やかな黄色は、カレー料理の見た目を引き立て、食欲をかきたててくれます。サフランライスをつくるパウダーとして有名です。
【効能】
ターメリックは、和名では「ウコン」と呼ばれています。
クルクミンをはじめアズレン、カンファーなど1,000種類以上の成分があり、多くの有効成分が含まれています。主成分であるクルクミン(ウコン)は、沖縄では、「二日酔いにはウコン」というのが常識です。
古代より、リューマチ、便秘、咳、皮膚病など様々な病気の特効薬として使われてきました。
アメリカでの研究でも、ターメリックに含まれるクルクミンとその他の精油成分には、活性酸素をすばやく除去する働きがあり、ガン抑制効果もあるということも分っています。潰瘍性直腸炎腸やクローン病の患者に処方して、腸の炎症の症状を抑えたり、腹痛、痙攣を緩和する効果もあるようです。
・たんぱく質の消化力を高め、腸の働きを活発にします。
・抗酸化作用のよって、胆汁の分泌を促進して、肝機の障害を予防する効果があります。
・活性酸素を除去し、老化を防止する効果もあるとされています。
・消化不全、咳、皮膚病、糖尿病、胃がんなどにも効果があるとされています。
・抗菌作用があり、虚弱体質や病気の人の助けになります。
・血液を浄化し、血管の新陳代謝をよくする働きがあります。
漢方では姜黄(きょうおう)と呼ばれ、切り傷や膿み傷、ただれ、はれもの、打撲傷、多汗症、かゆみ、疾(じ)の薬として処方され、止血剤にも用いられています。アトピー性皮膚炎や、湿疹(しっしん)にターメリックを水に溶かしたものをぬっておくと、炎症部分を乾燥させて治りを早める効果もあります。 日焼けした肌にパックすれば肌を癒してくれ、体毛の伸びを抑えたり、美白効果、肌への保湿効果もあるようです。
【使用法】
カレー粉、ピクルス、漬物、マスタードなどの着色剤として、また魚、米、牛肉、鶏肉、油を使った揚げものや炒めものにもよく合います。ソース、バター、チーズ、シチュー、スープ、ドレッシング、など色々な料理に用いられ、日本のたくあん漬にも使われています。
【原産地】
熱帯アジア
主産地はインド、中国、フィリッピン、台湾など。
【香りの主成分】
ターメロン
ナツメグとメース
ナツメグとメース
ニクズク科の熱帯性常緑樹、和名は肉荳(にくずく)です。
樹高は10~20mに達します。雄の木と雌の木があるのが特徴で、雌の木だけでは果実はできません。メースはナツメグと同じニクズクの果実、つまり同じ植物から採れます。同じ種でも種皮がメースで、種子の方ががナツメグです。メースの方が香りが上品で、やさしい味覚がするため、昔から、メースの方が高級品でした。
【効能】
ナツメグには、様々な効能があり、昔から生薬、漢方として使われてきました。
体を暖める効果があり、体が冷えやすい冷え性の女性にオススメです。
健胃効果としても、腹痛止め、食欲増進、下痢止め、腸内ガスの抑制、整腸作用などの効果があります。
その他にも、口臭止め、頭脳を明晰にする効果、落ち込んだ気分の回復、頭皮や毛髪を健康にする、関節の痛み防止、乳汁分泌促進などにも効果があると言われています。
但し、一度に5g以上摂取すると、幻覚症状を引き起こす場合があり、薬が毒に変わってしまいます。5gというと、市販のスパイス容器の半分以上というかなりの量ですから、普通に使っている分には心配はありません。
【使用法】
ナツメグを使う料理ということでは、ハンバーグが代表的です。
ハンバーグをはじめ、肉の臭みを取るために使われることが多く、肉の中でも特にひき肉との相性が良いのです。
独特の甘い芳香があり、ハンバーグ、ミートソース、ミートローフなどのひき肉料理や魚料理の臭みを消すために用いられます。
またクッキーやケーキなどの焼き菓子、パンにも使われています。
【原産地】 モルッカ諸島(インドネシア)
主産地はモルッカ諸島に属するパンダ諸島。
西インド諸島(グレナダ)、スリランカなど。
【香りの主成分】
ミリスチシン(ナツメグ)。α-ピネン、β-ピネン(メース)
フェンネル
フェンネル
フェンネルはその甘い香りが特徴で、魚の生臭さを消してくれるため、『魚のハーブ』と言われることもある、多年生の薬草です。成長が早く、新芽から3ケ月ほどで1mに達します。その実は漢方薬(生薬「茴香」)として用いられる他、調味料として、また、化粧品などにも使われてきました。
カレー、スープ、サラダ、煮込み料理、ケーキなどの菓子類、ハーブティーにも合います。
【効能】
消化不良を助け、利尿作用があり、便秘、眼精疲労にも効くと言われています。
安中散(あんちゅうさん)や、太田胃散、仁丹などにも含まれ、消化促進・消臭に効果があります。
アネトールという成分が脂肪を分解してくれるため、ダイエット効果も期待できます。
【使用法】
カレー、魚料理、ピクルス、スープ、煮込み料理、菓子類の風味付けに使用します。
【原産地】
地中海沿岸。
主産地はインド、中国、エジプトなど。
日本でも平安時代に中国から伝わり、東北地方を中心に栽培されています。
【香りの主成分】
アネトール
レッドペッパー
レッドペッパー
日本古来の香辛料で、刺激的な辛さが特徴です。最近ではキムチの需要が増えているようです。
辛味の主成分はカプサイシンで発汗作用があり、体を温め、食欲を増進します。
【効能】
ジアスターゼ活性・消化液分泌促進・鎮痛・下痢、咳止め
カプサイシン・カロチノイドの効果で血行を促進し身体を温めたり、
体温上昇による発汗により涼しく感じる効果があります。
脂肪を燃焼させる効果があるとも言われていますが
脂肪の吸収を穏やかにし、運動と組み合わせると脂肪が燃焼しやすくなるそうですが、
唐辛子を食べたからと言って脂肪が燃焼する効果というのは??だそうです。
【原産地】
熱帯アメリカ
主産地は熱帯地方から温帯地方に至るまでの世界各地。