物言わぬ臓器の声を聞く

脳下垂体とは何か、脳下垂体の病気と原因、その治療法について

脳下垂体


脳にくっついて、蝶形骨と呼ばれる受け皿の凹みに気持ち良さそうに収まっています。
トルコ鞍に座った小さな王様といった感じです。
巨大ロボットの頭部にある操舵室で、ロボットを動かしているパイロットのようでもあります。


脳下垂体は無数の血管とつながっています。
自分の指令(各刺激ホルモン)を全身へと縦横無尽に運ぶためです。
例えば、副腎皮質ホルモン刺激ホルモンを分泌して、副腎に副腎皮質ホルモンを出すように命令します。副腎皮質ホルモンは、ストレスから体を守り、体の炎症を鎮めるという、大切な役割を持っています。


他のホルモンの役割を見てゆきましょう。


○忘れてはならないのは、成長ホルモンの分泌。
子供が成長してゆく過程で、成長ホルモンの分泌を行っています。
脳下垂体で分泌される成長ホルモンやその他のホルモンの分泌と抑制は、脳下垂体の影の仕事人、「視床下部」というところが脳下垂体に命令しています。そのどこかで障害があると、小人症や、巨人症になります。


○甲状腺刺激ホルモンを分泌して、甲状腺にホルモンを分泌させます。
甲状腺ホルモンは、人体の全ての細胞に作用し、呼吸の量や代謝を調整している、生体活動の根幹を握っている重要なホルモンで、元気の源です。


○卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモンという性腺刺激ホルモンの分泌をしています。
卵胞ホルモンは卵胞発育を促進したり、排卵を促し、卵子を輸卵管に運び、子宮粘膜を増殖させる役目があります。卵子を包む卵胞の一つが成長し、排卵するまでを受け持つ、生殖には欠かせないホルモンです。また、少女から大人の女性に成長する過程における二次性徴(乳腺、骨格、皮下脂肪の変化)を担い、男性では精子の生成や性欲に関与します。


その後は黄体形成ホルモンによって、卵胞は卵子を排卵したあと、黄体へと変化します。黄体は、妊娠がなければそのまま白くなって消滅します。もし妊娠が成立した場合には成長してプロゲステロンという黄体ホルモン(妊娠を維持する働き、排卵を抑制する、体温を上昇させて安定する、乳腺を発育させるなど妊娠の保全を行うホルモン)を大量に分泌します。つまり、妊娠後のメンテナンスには欠かせない「黄体」を作り出すホルモンが黄体形成ホルモンです。男性では睾丸に作用して男性ホルモンの分泌を促進しています。


○メラニン細胞刺激ホルモンを分泌しています。
皮膚のメラニン細胞(黒色素細胞)のメラニン形成を促進。つまり日焼け時の皮膚が黒くなる現象です。妊娠時に乳頭の色が変化するのにも関係していると言われています。
両生類や爬虫類の場合、このメラニン細胞刺激ホルモンは、皮膚の色を瞬時に変化させる働きのあるホルモンです。カメレオンやタコの見事な擬態は、それを生存のために自由に使えるまで進化したようです。


○プロラクチンを分泌しています。
プロラクチンは女性の成熟した乳腺細胞に作用し、乳汁産生・分泌を促進します。
つまり、赤ちゃんに与えるおっぱいが出るようにするホルモンです。
赤ちゃんがおっぱいを吸うと、プロラクチンの分泌が促され、おっぱいの出が良くなるという仕組みです。次に説明するオキシトシンとも関係しています。
また、性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌を抑制します。つまり、排卵を抑制します。
一旦妊娠したあとは排卵を一時閉じてしまうわけです。


○オキシトシンを分泌しています。
聞きなれないホルモンですが、「愛情のホルモン」として知られています。
脳下垂体の中でも、プロラクチンは脳下垂体の「前葉」というところで作られますが、オキシトシンは「後葉」で作られます。成熟した乳腺に、おっぱいの出を促します。
授乳期に乳児がおっぱいを吸うと、オキシトシンが分泌が増加し、おっぱいの出が良くなります。分娩時にも胎児が産道を刺激によって分泌され、子宮筋を収縮させてお産を助けるための働きをするホルモンです。皮膚などへの感覚刺激がホルモン分泌を調整するというのは、反射刺激としては、ツボ(反射区)への刺激と似たようなものと考えられます。視床下部とたくさんの神経でつながる後葉から分泌されるということでも、神経的な刺激と関係しているようです。
最近の研究では、愛情、というより、自己保存本能に関係するということが分かりつつあり、生殖活動においては警戒が緩み、自分と種の異なるものや、家族以外のものに対しては逆に警戒心と敵意が生まれる傾向を示しています。


○バゾプレッシン(抗利尿ホルモン)を分泌しています。
このホルモンも脳下垂体「後葉」から分泌されます。
簡単に言うと、おしっこによる水分の体外流出を抑える働きをしています。
塩辛いものを食べたときなど、塩分が増加すると、バゾプレッシンが分泌されます。
また、出血によって血液が減少したときや、ストレスによっても分泌され、血管を収縮させます。血液環境の変化により血液中の水分が減るのを押さえる働きがあるのです。
また、前出のオキシトシンが女性によって愛情に密着しているホルモンだとすると、このオキシトシンは、男性が家族や女性に対して愛着を持つことに関係していると言われています。注意力、記憶力、認識力、冷静さを高め、求愛行動に対して敏感になります。
男性はこのホルモンが多いほど、失恋時にその愛着ゆえ、いつまでも引きずる傾向がありますが、いざ結婚して家族を持つと子煩悩で家族に愛情を注ぐ良いパパになる傾向があるようです。逆に分泌が少ない男性は、子供や妻に愛着が薄く、浮気を重ねる傾向があるとか。あなたはどちらですか?


この脳下垂体が障害を起こして起きることは、まずこれらの刺激ホルモンの分泌異常。そのことが色々とまずい事態を招いてゆきます。
まず、状態の異常は、初め各臓器の障害として疑われます。
副腎、甲状腺、腎臓、膀胱、子宮、卵巣、乳房、睾丸、等など色々な検査を進めてゆくと、脳下垂体の腫瘍が原因ということも。
成長が止まったり、伸び続けたりすることは生涯のハンデにもなりかねませんし、甲状腺、副腎がうまく機能しなければ、生活に大きな支障が生まれます。


脳や視床下部と多数の神経で交流している関係で、自律神経失調症や、神経症とも深く関係します。


良く、不眠症で悩む方に足親指の腹に神経反射がある「脳下垂体」の反射区を毎晩刺激するようにご指導しますが、まず大抵はその方法で不眠症が改善、完治します。
その他、自閉症、パニック障害、うつ病、恐怖症、不安症など、親指を刺激して治る傾向が強く、足裏土踏まずの「腹腔神経叢(ふくこうしんけいそう)」と合わせ、神経症には抜群の効果を発揮します。


甲状腺の機能障害なども、甲状腺の反射区刺激だけではなく、脳下垂体の反射区も刺激するべきです。


足の親指は「脳下垂体」をはじめ、首から上の全ての器官とつながっています。
親指はあなたのもう一つの頭部。
こちらはいくらしごいても揺すっても叩いても踏んづけても、頭への副作用はありません。
むしろ、もっと良く愛情をもっていじめてあげて下さい。


脳に常に新鮮な血液・酸素・栄養を送ることは、足裏全体のマッサージと親指への刺激で劇的に改善してゆくことが多いのです。


ところで、この脳下垂体は脳の中でも最も最下部に位置しています。


それこそ喉・首に近く、甲状腺や副甲状腺に位置が迫っています。


それで、私はこれら3器官を「だんご三兄弟」ならぬ、「ネック三兄弟」と勝手に命名しています。それこそネック(首)周辺に位置し、健康のネック(重要ポイント)になる器官たちだからです。
大抵訳の分からない症状の多くがこのネック三兄弟の仕業であることが多いのです。


甲状腺や副甲状腺の項にも書きましたが、首というところは無防備にさらしていることの多い場所です。冬場は言うにあたわず、夏場でもたとえば朝方冷えるところに首をさらして寝ています。そうでなくてもオフィスや公共施設ではエアコンが効いて効きすぎている場合もあります。節電と騒がれていますが、真夏の猛暑日となればエアコンもきつくなります。暑い屋外からそのままに、首をさらして初めは涼しくてほっとしますが、やがて冷えて来て、中にはちょっと上着をはおる女性もいますが、首のことは放置している。
寒さに対して比較的鈍いところだからです。
すると首は冷やされ続けて血行はお年寄りのそれになり、ネック三兄弟は血液不足、酸素不足のままじっと耐えています。


高山病というのがあります。


地表からいきなり高山に登ると空気が薄くなり、特に経験の少ない人ほど、酸欠状態になり、呼吸困難、息切れ・めまい・どうき・頭痛・吐き気・耳鳴り・難聴・脱力感・食欲不振などの症状が現れます。
おや?これって更年期障害とか自律神経失調症に似ていませんか。
理由もないめまいや動悸、病院で更年期ですね、と言われた方。
自律神経失調症とか不定愁訴とも言います。
若い方なら起立性調節障害という言葉もあります。


これって要は突然の酸欠により脳下垂体がパニクってしまった結果なのです。


脳下垂体が酸欠して起きる様々な症状はこの高山病のような症状のどれか、もしくはいくつかに近いものであるはずです。
それは何も高山でなくても、寒いところに首をさらし続けて微量な酸欠を繰り返した結果、脳下垂体が自律神経の調整機能を失ったことを示します。


そうでなくても脳下垂体には多くの役割があります。


特に身体の成長期や、逆に閉経の時期のホルモンの大きな変化がある時には過労気味になり、大量の酸素が必要となるのに、血液が届かないのです。酸素という最も必要な物資が。


だから、若い成長期の起立性調節障害、閉経を迎える女性の更年期障害、という形で自律神経失調症が現れる、と考えて良いのではないでしょうか。


不眠症、白衣高血圧、過敏性腸症候群、○○恐怖症、強迫症、パニック障害、うつ病、双極性障害、自律神経失調症、更年期障害、統合失調症、これらの神経症と脳下垂体、あるいは視床下部といった脳の働きの故障と酸欠の定着とは密接な関係があります。


とにかく足裏や膝裏といった、特に老廃物の巣となっている場所を徹底的に掃除することで血液の通り道を広げ、若い頃のように血行優良児に戻ることが大事です。
既に症状に苦しんでいる方であれば、親指全体を徹底して揉み、赤くポカポカするまで行うこと、それを日課にして下さい。日に何度行っても大丈夫ですし、たくさん行うに越したことはありません。足裏の真ん中にある「腹腔神経叢」という反射区も助けになることは前述致しました。


また、ネック三兄弟共通で、首を冷やさない工夫が大事です。


それから、オフィス、家庭、施設などにこもる(長く時間を過ごす)方は気をつけなくてはなりません。特に、ほとんど外出をしない、歩かない、という生活をしていると、自律神経の問題は中々改善しません。パニック障害のように、外に出ること自体が困難な場合でも、窓をあけて日の光に当たることが大事です。


足の存在意味は、足揉みをすることではなりません。
歩くこと、走ること、逃げること、追いかけること、移動すること、ジャンプすること、立つこと・・・のためにあります。
それらが機能して初めて足揉みを受ける資格のある足になります。
筋力が落ちてしまった足は、反射区を刺激しても効き目が弱い。
治りが遅い。気力と体力が薄いからです。
頑張って頑張って、頑張って毎日歩くことは是非心がけて下さい。
日の光を浴びることも大事です。
人間も日に当たってビタミンDを作ります。
植物の光合成と似ています。
お日様の恩恵を得てこそ健康に生きられるようになっています。


あなたの生涯の健康と愛情のために「脳下垂体」。
反射区を通して良く連絡を取り合い、日頃から元気を保つことが何よりです。


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