子宮・卵巣(生殖腺)
奇跡が起こる場所。
神の子が宿るお宮を子宮と言います。
神社仏閣が綺麗で清清しいのは、毎日お掃除されているからです。
多くの樹木やむき出しの土が都会の中にあっても別世界を作っています。
同じくらいの神聖な場所であるのに、子宮は自分では掃除ができません。
それゆえに婦人科系の病気がわいてくるのでしょうか。
実際女性の方からのご相談の3~4割は子宮に関係しているものが多いです。
掃除と言えばあまりに不謹慎か知れませんが、排卵後に受精しなかった卵子を納める儀式が生理と言えるでしょう。実に、この儀式は無意識下で行われ、脳下垂体の指示を受けて子宮にホルモンが分泌されて、子宮内膜と卵子は血液とともに排出されます。
適正な出血の日数。
適正な出血の量。
適正な生理の周期。
負担と感じない程度の生理の痛み。
生理前後の不快さもない、軽い。
これによって綺麗で健康な子宮が保たれていると言うのであれば、生理は聖なるお掃除です。
仮にお掃除の係りを巫女とします。
子宮はお宮とその庭です。
そして子宮頸管(頚管)は排水溝。
1ヶ月を1日に例えます。
巫女が掃除をする時間がバラバラなら生理不順です。
日によっては掃除をしない、あるいは日に2度も掃除をする。
巫女の掃除が手抜きなら、出血が少なくその分時間がかかります。
張り切るのは良いのですが、力任せに箒をかけるなら出血が多くなります。
宮司さん(脳下垂体)の指導も足りないのでしょう。
子宮が冷えているために寒がりの巫女さんが充分働けないのかも知れません。
掃除をした卵子や子宮内膜は最後に水で流されます。
その時の排水溝(子宮頸管)はどうでしょう。
通りよく排水できる状態でしょうか。
落ち葉や泥が詰まって、排水しにくい状態ではないでしょうか。
結局生理が終わっても内膜の一部が残ってしまう。
それが子宮内に潜り込んで小さな擬似子宮を作るのが子宮内膜症。
掃除をし残したものが深く根を張ってしまったのです。
月経血も一部が逆流して、卵巣の一部に溜まることがあります。
ポリ袋に入ったまま時間を経てどろりとした黒い血液になるのがチョコレート嚢胞。
放置自転車の買い物かごの中にぎっしりとゴミが捨てられているのを見たことがありませんか?
一つのゴミが二つ目を呼び、3つ、4つそして最後は当たり前のように汚されてゆきます。
ゴミを片付けない観光地はやがてゴミ置き場になります。
川もそうですね。ごみがいっぱい浮いた川には平気でごみを捨て易くなる。
それは人間心理の悪い一面でもあります。
人為的なものは子宮には存在しませんが、一つのごみから派生して色んな災厄が始まるものです。
子宮壁の下にポツリと発生したイボのようなもの。これがやがてどんどん膨らんで大きくなり、子宮を圧迫して、それと感じるようになり、病院で検査を受けると、子宮筋腫との診断。腫瘍だてど良性。何をされる訳でもない。ただ、そこにある。でも育って更に子宮を圧迫し、痛みや他の臓器に影響が出るようなら手術をしましょう、となる。
8cmともなれば、そろそろ限界。困ったおできですが、始まりは小さなゴミだったに違いありません。
話を変える訳ではないのですが、足先が冷える、指先が冷える、確かに触れてみると冷や~っと冷たい。こんな女性が多いように思います。
冷え性、むくみ症は血行不良です。
指先のように毛細血管で成っているところに血液が行き届かない。
だから体温が伝わらず、すぐに冷えてしまう。
指先が冷たいのは感覚で分かります。
でもこうした女性は自覚もないままに子宮が冷えています。
子宮のように空洞があるところが冷える。
子宮内膜は生理のたびに剥がれ、排卵前には再生します。
そんな使い捨てのところにも血液が必要です。
だから、近くの毛細血管から色々と必要なものをもらってを生きています。
その先は空洞です。
温度になる元がありません。
ですから、全ての毛細血管に脈々と血が流れていないと、子宮内部が冷えることになります。冷えると更に血液の流通が悪くなります。
色んなところが縮みます。
色んなモノが詰まりやすくなります。
免疫も弱くなるので、悪性のものが育つ隙が生まれます。
あなたの血行は良好でしょうか。
指先までポカポカで、足裏はほんのり紅潮していて、すっきりと窪み、むくみもなく、ふくらはぎは柔く、凝りもない。そんなあなたなら大丈夫です。
しかし大抵はそうではありません。
結果、年齢を重ねるほどに婦人病が多くなる。
生理痛がひどい、生理でなくても子宮が痛い、子宮が張っている、症状としては漠然としますが、子宮を襲う様々な不具合は「詰まりやすい体質事情」と「詰まるゆえに免疫不足になる事情」によって起こるものだと思うのです。
その前提として冷えがあり、全身の血行不良が程度の違いこそあれ、必ずあります。
子宮筋腫に似て、子宮頸部(頚部)にできる子宮頸管ポリープ。これは良性。
悪性ということになると、子宮頸部上皮内腺がん、あるいはイボの菌ヒトパピローマウイルスが契機になる子宮けいがん(頚がん)。
子宮頸部でなく、子宮内膜にできる子宮体がん。
子宮平滑筋などにできる悪性腫瘍は子宮肉腫。
胎盤の絨毛にできれば絨毛がん。
卵巣にできれば悪性卵巣腫瘍(卵巣がん)。
例によって、できる場所によって名称が変わるが原因は変わらない(免疫不全)それらも、結局は血液の到達不十分と言う、詰まり詰まり流れているという、体質の後天的な問題に起因しておこるトラブルなのです。
子宮頸癌については、若い人にも多いということもあり、性交によって移るウイルスを種にして育つという特徴も分かっているために、啓発運動も盛んに行われています。
早期発見なら薬で苦もなく治せることが多いようです。
癌も手に負えなく進行すれば子宮摘出(卵巣)、子宮全摘出の手術に踏み切らざるを得ません。全摘をすればもう子宮の癌とは無縁です。でも、癌の種は全身どこにでも密かに埋まっており、いつ芽を吹くか分かりません。その体質を持っている、ということは消えないのです。
子宮の病気は他にも色々あります。
子宮頸部に菌が侵入して炎症を起こしたものが子宮頸管炎。
抗生物質や抗菌薬での治療で治ることが多いようです。
子宮頸ガンと経緯は似ています。
子宮周りの免疫力が足りない訳で、今後も要注意です。
子宮入口の膣部が赤くただれるのが子宮膣部びらんです。
ただれているように見えるだけで何ともない偽性と、本当にただれている真性があります。
先の子宮頸管炎と位置違い、ほとんど同じ原因と考えられています。
子宮腺筋症は子宮内膜症の一種です。
生理で排出できなかった内膜の一部が子宮筋の裏に潜り込み、そこで第二、第三の子宮として活動を始めます。もちろん痛みを伴い、出血します。
医療としては鎮痛薬やホルモン薬で痛みを押さえる対症療法しかなく、根治させるには子宮の全摘出しかありません。
不妊の原因の半分は男性です。
女性が原因の場合の不妊症は、排卵から着床までの過程のどこかで、必ず不具合が起きています。特に排卵がされない排卵障害なら妊娠は不可能です。
男女ともに正常だが中々妊娠できない、ということも良くあります。
子は授かりものとは、良く言ったものだと思います。
しかし、指導によって足を良く揉んで身体を温め、血行を子宮に行き届かせた人が、あっさり妊娠できたことが多々あることを考えれば、結局は冷えによって子宮が縮こまっていたことが原因なのではないかと考えてしまいます。
内膜症やら筋腫やら、一度不具合が出ると、いくつかの症状が重複して出る人もいます。それはそうでしょう、元になる根っこは同じなんですから。
生理痛、生理不順も起きて、妊娠出産の夢も絶たれたかのように思い煩う。
しかし、それはあなたが長年子宮を大事にしてこなかったつけ。
いつかどこかで、あるいは今この時点も、子宮思いの生活をしていない部分があるのかも知れません。
小さい子供が頬を膨らませてふてくされる。
それと似たのが子宮肥大増殖症という現象。
子宮うっ血、子宮筋層炎、ホルモン異常・・・
子宮筋腫や内膜症などの子宮の病気から膨れることもあるとか。
あなたの子宮は何に怒っているのでしょうか。
子宮後屈をご存知ですか?
子宮は普通前方に曲がっている前屈状態です。
これが後屈となっている場合があります。
あなたの子宮は後屈ですね、と言われると女性は不安に感じてしまいます。
だから診察時に不用意に言わないで、そっとカルテにだけ記録しておいて下さい。
手術の時にはお医者さんにとって必要な情報ですが、子宮後屈自体は病気でも何でもありません。単に後ろに曲がり気味、というだけです。
それであれば良いのですが、子宮自体が垂れ下がってしまう、子宮下垂は、尿漏れや出血を起こす場合があるので、処置が必要です。
子宮を支える筋肉組織(骨盤底筋)の衰えが原因とされています。
適度な運動によって治る場合もあります。
加齢のせいだと済まさずに、身体には運動という餌も与える必要があると、つくづく思い知らされることが良くあります。
病気というより、突然の不幸なのが、出産・分娩中の子宮破裂です。母子ともに命に関わる出来事で、早急な手術対応が必要です。この時ばかりは、病院での出産が安全です。
自然分娩では、まず、助からないかもしれません。
子宮内の腫瘍だったり、産道の柔軟性がたりなかったり、赤ちゃんの頭が大きすぎたとか、色々理由があるようですが、子宮が健康で柔軟かつ強靭で、産道もしっかりと拡がってくれたならそれは防げたでしょう。1000人に一人と言われますが、しっかりとした備えをしておくべきと思います。
神様の入口であり出口でもある子宮。
いつも綺麗で清清しく、陽だまりのように暖かければ天使は降りてくると思います。
何もしてないので、勝手に病気になった。
きっと遺伝かも知れない、などと人のせいにせず、もう一度生活を振り返ってみて下さい。子宮思いの生活だったのかどうか。
そして、子宮がふてくされてしまったなら、天の岩戸を開ける方法もあることを是非ここで知ってみて下さい。