官足法の便利帖
手掌多汗症
手掌多汗症
緊張すると掌に汗をかく。
それも尋常ではなくポタポタ垂れ落ちるほど。
足の裏や脇の下にも汗をかく。
暑いときにかくならただの汗だが、そうでない汗は気になる。
そうでなくても掌は身体で一番良く働く場所。
色んな弊害もあったりする。
いわゆる汗っかきとは違う。
緊張症のようではあるが、普通にしていても汗をかいているので、交感神経の活動と汗が関係あるそうだ。量はその時の興奮度、緊張度による。
「手に汗握る」スリルと興奮、というような表現もあるくらいで、手に汗をかくのは、アドレナリンの放出と関係がありそうだ。誰でもがそういう興奮時は手に汗をかく。アドレナリンは毛細血管や筋肉を収縮させ、心拍数を増やし血圧を上げる。動物の狩猟と逃走の本能であり、一時的に運動能力を高める手段である。問題は、平常時に近いときも汗ばんで、ちょっとの興奮で多くの汗をかいてしまうことだろう。気温のせいではないことは、汗をかく部位が限られていることから分かる。
このような方はストレスに敏感な上、ストレスを解除する力が弱いと考えられる。緊張がなかなか解けないと、うつやパニックに発展する神経症だ。
これは脳下垂体を含む脳の酸欠であり、血液の循環不足であると官足法では断定して反射区を刺激する。緊張を受けて副腎にアドレナリンを分泌するように指令を出すのが脳下垂体で、それを緩和して平静時に戻すのも脳下垂体だ。
興奮による刺激反応が強く、逆に平静に戻りにくいのが神経症と言われるもので、多汗症もその一種と考えられる。
この脳下垂体と神経でつながるとされる反射区は足の親指の裏側にある。
そこを辛抱強く刺激することで、不眠症や自律神経失調症をはじめとするあらゆる神経症を治してきたのだから、狙いは正しいと確信できる。
交感神経と副交感神経のバランスが崩れると免疫不良をはじめ、万病の元になるとする、安保徹先生の学説では、自律神経を整えるには、手の爪の生え際を刺激するのが効果的とされている。官足法では足の爪の方を優先する。脳神経と足爪の生え際に強い因縁があることを実体験で掴んでいるからだ。
いづれにしても薬で交感神経を抑えるようなことは間違っている。
発汗という一つの現象を抑えるだけでは済まないからだ。
自律神経は健全な血液の流れと、良く浄化された血液に乗ってこそ本来の働きを取り戻すものだ。また、脳下垂体を含む脳内への十分な血液の循環を果たせば、高齢になって頭部で起きる様々な災厄も防ぐことができる。
そのための手段として官足法では足裏を揉む。ウォークマットなどのでこぼこを踏んで、痛い思いをしてでも足裏から老廃物を除去するのが最も有効だと考える。
その次に、反射区というものの存在を活用することだ。
多汗症などの神経症には親指の裏側(脳下垂体、脳の反射区)を良く刺激する。
足裏土踏まずにも腹腔神経叢という、自律神経に作用する反射区があり、もちろんこれも刺激する。
その上で親指の爪の生え際を刺激する。足が揉めないときは手の指でも良いだろう。
血液中に水分が多すぎるのは、腎臓の働きが弱いからで、多汗症がそうだとも言えないが、こうして足裏全体を良く揉む事で、腎機能を高めることにデメリットは一つもない。
特に尿の色が薄めの方は、気をつけて欲しい。
発汗によって塩分もどんどん失われている。
これで、減塩などしていたら、弱り目に祟り目となることも考えられる。
自分の健康状態を良く把握した上で、おかしな健康ブームに影響され、間違った選択をしないことも大事なことかも知れない。
- 2012.12.29
- 12:11
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