官足法の便利帖
痛風はこうして治します
痛風
風が吹いても痛い。
この病名の由来です。
やっかいな病気です。
日本人では50万人以上。男性が多い。
と言われている難病です。
治る見込みはあるんでしょうか。
(c) まるめだか|ストック写真 PIXTA
肉類や魚介類に含まれているプリン体が分解された時にできるのが尿酸。
溶けにくく、低温を好み、すぐに結晶化してしまう。
言わば食の星から来たエイリアンです。
体の隅々のどこを問わず、居心地の良いねぐらを見つけては、そこに棲みついてしまいます。
そもそも尿酸というものは細胞から出てきたおしっこ。
静脈という下水を通って、腎臓と言う浄水施設で漉されて排泄されるはずのものだったんです。
最近はこの尿酸の元となるプリン体の多い食品として、「プリン体○○%カット」などとラベルに表示して商品価値を高めているビールや発泡酒も多く見かけます。プリン体がほとんどない焼酎を嗜好する方も多いでしょう。
しかし魚介類の多くがプリン体の宝庫なのですから、お酒の肴は寂しいものになりそうです。
(c) ピノキオ|写真素材 PIXTA
尿酸の元になるプリン体を多く含む食品を嗜好することで、体内に多く尿酸が出回ることは確かです。
それをせっせせっせとザルに掬ってはおしっこに混ぜて捨てているのが腎臓。
その腎臓がくたびれて仕事を休み休みするようになったら、尿酸は排泄されることなく体内を巡り、良く冷えた所を気に入って、結晶化して棲みつきます。
その一番の人気スポットは足裏です。
足首足の甲足の指にも棲みつきますが、いつも地球の重力で地面に押し付けられている足裏は最高、という訳です。
靴に締め付けられて、彼らを流すべき血液の勢いがないのも好都合です。
その内彼らの巣が大きくなるといつもいつでも血液の勢いがないので(特に就寝時)足は冷えて、快適な巣になっています。
足裏は肉が厚いので、結晶化した尿酸に突き刺されて痛む事は、日常生活の中では余り感じることはありません。
温泉宿でたまたま敷いてあった健康敷石みたいなものを、どれどれ、と踏んでみて「痛てて!」となる。笑って済ますが本当は笑えない。
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にょきにょきと足裏に育っている鍾乳石。
強く押した時だけ突き刺さるから分かるようです。
そろそろ足裏も満員に近くなったらどうするのでしょう。
仕方なくアリーナ席を求めて彼らは足首や足の甲に居を定めます。
ふくらはぎや膝裏など、別荘を構えるものもいます。
それでも足裏に居座っていると、足の指の方へと押し出され、きゅっと細くなった指の付け根の関節あたりに引っかかるものもいます。
足裏にあった時は滅多に気付くことさえなかったのに、指の関節は針のような結晶が刺さるので突如、痛む。
後から後からまだ押し出されて来たり、通りすがりの尿酸まで引っかかって結晶化してゆく。
ここからが痛くて辛い本番となってしまいます。
これが「痛風」という病名の生い立ちです。
(c) 写心一途|ストック写真 PIXTA
残念ながら、この尿酸をパッと溶かしてくれる薬はありません。
さらに長年の痛風で曲がってしまった関節を元通りにするのは難しいです。
薬で痛みをごまかす。
レーザーで痛みを緩和する。
薬で尿酸値を下げる。
これが現在の治療法です。
薬で尿酸値を下げて食事の制限も厳しく行いながら、痛み止めを飲んで時にはレーザーで痛みを緩和して、あとは・・・・
いつか偶然痛風が治るのを期待、です。
治らないまでも発作が起こるまでの平和な時間ができるだけ長くなってくれればいい。
そして発作が起こってしまったら、またせっせと専門医の元に通えば良い。
それがベストと信じている方は、これから述べる痛風の治療法は無視していただいても構いません。
選択肢の一つとしてご提案させていただこうと思います。
(c) Ushico|画像素材 PIXTA
尿酸が多くなる原因は100%「腎臓」の機能不全ということになります。
もちろん、嗜好の偏りも尿酸が増える理由ですが、こちらの方は良く食べ物に注意してセーブすれば誰だって減らすことはできます。
ただ、弱ってしまった腎臓を治すことは難しいのです。
数値に出なくても腎臓は加齢とともに弱る臓器で、万病と深くかかわっています。(血液の汚れが取れずに体中にカスが溜まるため)
尿酸は細胞が出す栄養分のカスであり、プリン体が肝臓で分解された排泄物でもあります。それ以外に増えたり減ったりする要素はないので、血液中に尿酸が高くなるということは、腎臓が排泄し残しているということになります。
それどころか、尿酸が結晶化し腎臓自体に溜まり、炎症を起こしたり、輸尿管に転がって結石になったりもします。
この物質は残して良い事は一つもありません。
とっとと体外に出して捨てるのが正解なのです。
そのためには食事を制限しながら、まず腎臓を回復させることが一番のポイントで、それなくして完全な治療法はあり得ません。
腎臓は医療に頼っていたのではまず回復することは少ないです。
腎臓を責める前に、血液の循環不全があり、虚血とそれによる酸欠によって臓器が苦しんで弱るので、腎臓も虚血によって弱るのが普通です。
あるいは消化不良と新陳代謝の低下によって血液が汚れ、腎臓が過労に陥った結果なのかも知れません。
特殊なことではなく、加齢とともにそうなるケースが殆んどです。
尿酸が高くなったり、尿にたんぱくが出たり、結石ができたり、というのは直接腎臓が病んでしまったという、分かりやすい状況があります。
その尿酸を含む老廃物が結晶化して足裏に頑固にへばりついているのを、薄皮を剥がすように少しずつ削ってゆかなくてはなりません。
温泉にあった健康敷石を思い出して下さい。
その上に乗った時の痛みを思い出して下さい。
なければすぐにでも丸い石ころやゴルフボールの上に片足を乗せて立ってみて下さい。
痛いですか?それは結晶の大きさです。
すごく痛ければすごく大きい。
そうでもなければまだ小さい。
(c) sachiel|写真素材 PIXTA
例外として、すでに壁のようにコンクリート化して最初は何も感じない人もいますよ。むしろぜんぜん痛くないよ、という人は気をつけて下さい。
成人もとっくに過ぎて、健康すぎて全然痛くない人は、1万人に一人いるかどうかです。
この結晶は、なまじな力では削れません。
街のマッサージ屋さんが本気で揉んでも、指で行うのは表面の結晶(しこり)にはある程度効果はあるものの、本当に怖いのは奥に潜む老廃物で、これは指圧では取れません。
ゴルフボールを踏みつける、床に石ころを敷いてジャリ道を再現して踏みつける。
これはとても良い方法です。
自分の全体重が指圧力。指力の比ではありません。
こうして足裏を何かに強く押し付けて体重をかけて踏みつけ、できるならふくらはぎから膝裏まで手で良く揉んで、血の通りを良くすることが先決です。
ジャリを用意したり、転がりやすいゴルフボールではやりにくい、という方には、私たちが販売提供している「ウォークマットⅡ」という足踏み板がとても便利です。(コマーシャルではなく、本当にお勧めなので)
ここまでは「血液の流れと質」を整えるための基本動作となります。
もともとは血液循環の不足による虚血が腎臓に達して、結果として腎機能を落としました。血液循環が不足したのは足裏を詰まりっぱなしにしている老廃物です。ですから、痛風を治す意味では絶対に避けられない作業です。
これだけはしっかり覚えておいて下さい。
次に、悪くなってしまった「腎臓」を、少しでも早く回復させるための、「神経反射区」を刺激することがポイントになってきます。
腎臓が悪いままでは痛風は根治できません。
また、足の裏に溜まる老廃物というのも、腎臓が排泄しきれなかった尿酸です。
やはり、腎臓を早く立て直すことが、他の病気への対策や予防になることです。
神経反射区の刺激とは、その言葉がイメージする通り、足裏にある腎臓の反射区(つぼのようなもの)に、上から何かを強く押し付けて刺激をし、腎臓に信号を送ることです。腎臓は反射区を刺激すること約20分で、周囲にたっぷりと血液が集まった状態になり、温まることが分かっています。
強く刺激できるなら何を使っても良いのです。
ただ、人の指では限界があります。
ウォークマットを使って足を踏んでいる時に「腎臓」の神経反射区も刺激されますので、二重に便利です。じんわりと効いてきますが、ただ、腎臓の神経反射区は他の反射区よりも奥深い位置にあるため、他の反射区より伝わる刺激が小さいということも知っておいて下さい。地道に毎日根気良くウォークマットを制して、腎臓への刺激を強く意識して、健康に戻してゆくことが大事です。
慣れてくれば、ウォークマットの角の突起をひとつだけ「腎臓」の反射区にあてて、体重を乗せて踏み込むようにすると、ピンポイントで良く刺激できます。
腎臓は反射区を20分近く揉んでようやく血液が集まり温まるので、時間をかけるほど良い結果が現れてきます。
さて、痛風とは一生付き合うと覚悟を決めることは全くないということを、信じていただけるでしょうか。
だめもとで足をいじめてみる。
それでもやってみる価値はあるのではないでしょうか。
(c) taka|写真素材 PIXTA