官足法の便利帖
バセドウ病
「バセドウ病」
甲状腺の機能が異常に亢進する病気です。
甲状腺ホルモンの分泌が必要以上に行われます。
甲状腺ホルモンは、脳下垂体からの刺激ホルモンを受け取ることで分泌が行われます。脳下垂体はほどよいタイミングを見計らって刺激ホルモンを送りますから、自ら故障しない限り、甲状腺は安定したホルモンの分泌を行うはずです。
刺激ホルモンを受けるのは受容体(レセプター)と言われる、甲状腺の触覚です。この触覚に対する抗体ができてしまい、免疫細胞の攻撃を受けると、甲状腺は刺激されて甲状腺ホルモンを過剰に分泌します。
そもそも甲状腺ホルモンの役割は何でしょうか。
脂肪や糖分の燃焼をしてそれをエネルギーに変えています。
交感神経を刺激して、特に日中の環境に対応します。
幼児が大人に成長して行く過程で、身体の発達を促しています。
思考の活発化、刺激への反応を促進しています。
骨を守るために血中カルシウムの調整をしています。
血液中のコレステロールを下げる働きがあります。
(c) irie photo|写真素材 PIXTA
多すぎても少なすぎてもバランスが崩れて様々な障害が現れます。
例えば分泌過剰では痩せやすくなり、不足すればダイエットしても中々痩せません。それならばいっぱい分泌して欲しい、と思う方もいそうですが、とんでもないことです。
甲状腺機能亢進の結果は
息切れがする、汗をを良くかくようになる(暑がりになる)、手がふるえる、いらいらなど情緒不安定になる、動悸がする、首(甲状腺)が腫れる、目つきが鋭くなる、頻脈、手指などのふるえ、微熱、眼球突出、食欲の異常亢進、下痢、過少月経、倦怠感、筋力低下、微熱、不整脈、高血圧、のぼせ、疲れやすい、のどの渇きなど・・・他に一つも良いことはありません。
自律神経失調症とも良く似ています。
それは、甲状腺ホルモンの分泌過剰により、交感神経が一方的に働くことが原因です。常にストレスがあるのと同じ状態になっています。
(c) poosan|イラスト素材 PIXTA
この病気を治すことは、甲状腺を治すことではありません。
甲状腺を無意味に攻撃する免疫の異常活動をやめさせることです。
抗体の情報から甲状腺のレセプターを消去することです。
どうしたらそんなことができるでしょうか。
ここから先は、今までに紹介したいくつかのアレルギー系の病気とおおよそ同じ解決法になります。
初めてこの章を見る方のために、方法を記しておきますが、とっくに分かってるよ、という方は読み飛ばして、免疫の異常を元に戻すことで「バセドウ病」は克服できる、という理屈を学んでいただければ幸いです。
足裏は心臓から最も遠い場所で、なおかつ睡眠時を除くと、常に体の一番下にあって地球の重力を受けているところです。血液中に発生する乳酸や細菌の死骸など、不要な物質(老廃物)は普通は腎臓で消化され、尿に混じって体外に排泄されますが、川の下流で土やゴミが堆積するのと似た現象で、一部が少しずつ足の裏の毛細血管や細胞の周りに付着してゆきます。
これが長年堆積し続けて足は固くなり、血管を詰まらせ、リンパ液も滞るようになります。
そうなると、体の免疫力も低下したり、逆に異常行動をするようになり、万病の原因となって行くのです。
免疫細胞の一種である「顆粒球」はストレスによって過剰に増加し、攻撃対象がなくなるとこうした老廃物を誤って退治しようとします。
その結果皮膚の細胞ごと傷つけ、傷ついた皮膚に雑菌が入ると更に悪い状態になります。それがアトピー性皮膚炎です。
副甲状腺も弱っていることがあります。
副甲状腺が弱ると、カルシウムの吸収が悪くなりカルシウム不足に陥ります。
カルシウムが不足すると血管や筋肉が収縮しやすくなり、ちょっとした刺激でも筋肉がつったり、蕁麻疹がでたり、アレルギーが起こり易くなります。
過敏症の一種ですが、これの典型的な症状が花粉症、アレルギー性鼻炎です。
甲状腺のレセプターを攻撃するのも同じことです。それぞれ対象が違うだけなのです。
このような免疫の異常行動を鎮める方法は、以下のようになります。
○足裏の老廃物を全て踏み潰し、あるいは揉みつぶして、足裏の血管のパイプを開通させること。これでまず血行の良い状態を確保します。
○足裏にある反射区(ツボ)は各臓器につながっている神経の抹消です。特に老廃物の消化に欠かせない「腎臓」の反射区が両足にあります。まず、この腎臓に良い刺激を与えて、活性化させる必要があります。
○足裏には同時に、胃、すい臓、十二指腸、小腸、大腸、肝臓の反射区と、新陳代謝を行う重要な器官の反射区がずらりと並んでいます。これらを全て刺激して、新陳代謝が活発になれば、血液を汚す原因が大幅になくなります。血液がサラサラになれば、虚血、栄養不足、酸素不足もなくなり、免疫の流れも正常化します。
○副甲状腺も正常化します。足裏から足の側面にまで広がるこの反射区は、副甲状腺という意外に厄介な病気とかかわっている器官を健康にし、アレルギー体質を改善し、将来の関節炎や骨粗しょう症とも無縁の体をつくります。腰痛や筋肉痛、脊椎に起こる障害を予防してくれます。カルシウムの吸収を良くし、過敏症体質を改善してくれます。大事な器官ですから、反射区図表で位置を良く確認し、ウォークマットを踏むだけでなく、グリグリ棒も使って、足側面の部分も良くマッサージして下さい。
○甲状腺を少しでも落ち着かせるために、「甲状腺」の反射区も揉むようにします。甲状腺の反射区は足の親指の二つ目の関節をぐるりと囲んで「副甲状腺」の反射区につながっています。
○また、脳下垂体自体もバランスを失っている可能性があります。自律神経失調症というのは脳下垂体の故障(酸欠による)です。当然直下に位置する甲状腺も被害を受けます。そのため、念のために「脳下垂体」の反射区も良く揉むようにします。足の親指の腹、裏側中央にあります。
○靴(お履き物)は、足を締め付けないものが理想です。ブカブカでも良いくらいで、なるべく足を圧迫から解放するようなものをお選び下さい。
○最後に、食事において、甘いものの食べ過ぎ、冷たいものの飲みすぎ食べすぎはなるべく控えた方が宜しいかと思います。
ウォークマットを踏むお時間ですが、最初は痛くてまともに踏めないかも分かりませんが、痛む理由は老廃物ですから、克服していただく必要があります。
4ケ月以内にほぼ痛みはなくなりますので、最初の頃は我慢して続けていただくことが大事です。
1回20分以上が目標になります。
それ以上はいくら時間をかけても良いのです。
踏みすぎ、というのはありませんし、踏む時間が長いほど痛みも早く克服できます。痛みが無くなった時は老廃物も姿を消して、血行が正常になってきた証拠で、その状態になることをまず第一目標に頑張って下さい。
最初から20分は無理でも、毎日少しずつでも記録を伸ばして、早く20分に到達できるようになっていただければと思います。
さて、バセドウ病ともなると色々とやることが多いという印象でしょうか。
完璧に誰でもが必ずその方法を全て実行すれば治ります、という話ですが、大雑把な言い方をすれば、ウォークマットを踏んで踏んで踏みまくって足裏の掃除をやりきった時、他に何もしていないのに治ることは良くあります。
健康の基本は「血行」「血液循環」なのです。
ウォークマットがなければ、木の棒、官足法のグッズでは「グリグリ棒」「にぎり棒」「T棒」などで力を込めて足裏全体を揉み上げます。
それでも早急な改善が見られない時には「反射区」への刺激にも頼ります。
それくらいの心構えで良いのです。
かえってストレスになるくらいあれこれ考えたり、試行錯誤することは良くありません。
まずは体質改善。血行の不良をなくしてフレッシュな酸素の巡る体を作りましょう。
甲状腺だけに問題が起きているとは限りません。
体質がそうしているのです。
他のところだって一触即発であっておかしくはないのです。
あるいは既に、バセドウ病の症状と思っていることが、別の臓器・器官からのSOSであることも考えておきましょう。
(c) りつ。|ストックフォト PIXTA