官足法の便利帖
素晴らしき免疫細胞たち
素晴らしき免疫細胞たち
私たちの体には毎日たくさんの雑菌、バクテリア、ウイルスが侵入してきます。
また、自らの体の中でも、癌細胞が毎日大量に発生しています。
これらが勝手に体の中で繁殖すると大変です。
そうならないように監視し、有害な生物が入って来たり、癌細胞が生まれると捕まえて処分するのが免疫細胞です。
(c) すずかけ通り|イラスト素材 PIXTA
「孤高の殺し屋、ナチュラル・キラー細胞」
ナチュラル・キラー細胞って知っていますか?
免疫細胞であるリンパ球のひとつの種類です。
その名の通り、ちょっと危ない細胞です。
生きて体中を単独でぐるぐると巡回。
癌細胞やインフルエンザなどのウイルス感染細胞を見つけると即抹殺。
人間の体にとっては実に頼もしい殺し屋なのです。
このような外敵から身を守るために働く軍隊は他にもいます。
きちんと統制されて、役割分担し、組織化された免疫部隊です。
ところが、ナチュラル・キラー細胞は組織では行動しません。
それぞれの細胞が、誰の命令も受けず、単独で敵を殺します。
強いウイルスの侵入を受けると、他の組織よりいち早く、活動のピークを迎えます。
白血球の一つで、単球(マクロファージ)と呼ばれる細胞、更にリンパ球の一つヘルパー細胞が放出する「サイトカイン」という物質が彼らの食料になります。
非常時にまかれた「サイトカイン」はナチュラル・キラーをより興奮させ、敵への殺傷能力が高まります。
(c) SWAT|画像素材 PIXTA
彼らの弱点は、人間のストレスです。
ストレスは彼らの殺傷力を弱らせ、数を減少させます。
加齢とともに減ってゆく傾向もあります。
減少して力も弱くなると、癌細胞を充分殺せなくなります。
ウイルスに対しても弱くなり、感染症になりやすくなります。
ストレスが強い生活をしていると免疫力が弱くなる、というのは、この大切な殺し屋を減らして活動を鈍くさせてしまうからに他なりません。
さて、他の免疫組織、リンパ球の軍隊の様子を見てみましょう。
「原始からのボディーガード、大食漢マクロファージ」
白血球の一つで、単球(マクロファージ)という細胞があります。
全白血球の7%。白血球では最大の細胞。アメーバ状でうようよ動いて、異物を見つけると何でもかんでも取って食べてしまいます。なので大食細胞とも呼ばれています。
腹いっぱいになってもまだ異物が残ると、敵の詳細情報を流して軍隊を呼びます。
伝達係はマクロファージの中でも、「樹状細胞」という通信指令係で、抗原(敵ウイルス)の情報を分析・加工して、出動部隊に分かりやすく伝達します。
軍隊は、T細胞と呼ばれる組織化された軍団です。
また、ヘルパー細胞(T細胞の一種)と協力して、ナチュラル・キラーの栄養源、サイトカインを放出しています。
このサイトカインは、免疫の活性を促すだけではなく、自律神経、運動神経、知覚神経などの神経系統や、脳下垂体、副腎、甲状腺、生殖腺などの内分泌ホルモンなどを調節している生体機能調節タンパク質でもあります。
また、サイトカインはリンパ球のもう一つの軍隊組織、「T細胞軍団」への起爆剤であり、栄養源にもなります。
(c) ちょこわん|写真素材 PIXTA
いよいよ免疫のために組織されたT細胞軍団がどのようなものか、見ていきましょう。
「統率された武装軍団、T細胞」
T細胞は「ヘルパー細胞(指令係)」「キラー細胞(攻撃班)」「サプレッサー細胞(抑止係)」の3つの組織で構成されています。
巡邏警官マクロファージからの通報と敵情報を受け取ると、敵殲滅のために出動します。
そのため、民間の殺し屋であるナチュラル・キラー細胞よりは少し出遅れますが、頼りになる組織です。
ナチュラル・キラー同様、異物の殺傷を担当するのが「キラー細胞(キラーT細胞)」です。
指令官である「ヘルパー細胞」からの出撃命令を受けて、外敵駆除に出動します。
栄養源もナチュラル・キラー同様にサイトカイン。これで活性化し、殺傷能力が高まります。敵に取り付いて、破壊するまで攻撃します。
ヘルパー細胞はキラー細胞の司令官ですが、マクロファージと協力してサイトカインを放出する他、マクロファージから送られてきた抗原情報を、B細胞に伝えて抗体を作る手助けもします。B細胞もリンパ球の一種で、面白い役割を持ちますが、後ほど。
最後に「サプレッサー細胞」の役割。
興奮したキラー細胞を沈め、戦闘を終結させる方向に導くための細胞です。
過剰攻撃、過剰武装を抑止するための鎮静班です。
「標的をロックオンする抗体記録係、自らも戦闘ヘルパー、B細胞」
ヘルパー細胞から指令を受けて、侵入してきた有害細菌の特徴を記録し、抗体を作ります。
そして仲間が苦戦すると自らも細菌を攻撃して戦闘をサポートします。
また、頭に空白の掲示板を持っていて、そこに抗体をくっつけて他のキラー細胞に見えるようにします。そして、標的の前まで言ってネオンをチカチカさせます(喩えです)。
標的をロックオンして仲間を呼ぶのです。
「交感神経が動くとき、働くカミカゼの特攻警察、顆粒球」
顆粒球とは白血球の60%を占め、主に人間が活動する日中、いつでもすぐに体が動くよう、交感神経のコントロール下で働きます。
つまり、顆粒球が働くとき、リンパ球の各軍団は減少して動きが鈍くなります。
顆粒球は体内に侵入してきた、主に大きめのウイルスや雑菌をパトロールし、危険を察知するや捕まえてパクリと食べてしまうアメーバ警官です。
体に炎症が起こると急速にその数を増やし、原因となる患部に集まった細菌を食べ、殺菌します。鎮火をするのですから、消防官のようでもあります。お腹が破裂するまで菌を食べつくし、限界を超えると自爆します。けがをした傷口にバクテリアが入ると膿みがたまるのは、顆粒球とバクテリアの死骸、戦いの跡なのです。
その時に、顆粒球が元々殺菌用に蓄えていた大量の活性酸素をばらまいてしまうのが難点で、この活性酸素は近来研究が進む中で言われるように、体にとっては有害な毒素です。
顆粒は更に好中球、好酸球、好塩基球の3種類に分かれます。
「好中球」
体中をパトロールし、毛細血管も何のその、壁もすりぬけて細胞間の間質液にまで足を伸ばします。細菌を見つけると食いついて、体内から分解酵素を出して殺します。
「好酸球」
好中球よりも弱いながら、細菌を捕食します。
特に寄生虫などを駆除するための酵素を持ち、大型の感染源に対応します。
寄生虫、アレルギー性の疾患、皮膚の疾患、膠原病などがあると増加することが分かっています。
「好塩基球」
非常時に体の免疫反応がより早く動くためのヒスタミンを放出します。免疫の監視・サポート役といったところですが、緊急時の誘導に欠かせない白血球です。
しかし、今ここで問題となるのがアレルギー反応に深く係っている意味で、人の体にとって都合の悪い働きをしてしまうこと。血液の環境悪化が招いた弊害と言えます。
白血球全体の4%しかないこの顆粒球が、花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息などのアレルギー疾患の引き金になっていることは、2005年に発見されたばかりです。
好塩基球はスギ花粉などアレルギーの原因となる物質が体内に入ることにより活性化して、
IgE抗体という、炎症を起こす物質を作ります。
次に同じ花粉が入って来ると、花粉とIgE抗体を取り込んで、同時に新しいIgE抗体を生み出します。こうしていつまでたっても無くならない炎症、かゆみと腫れが続いてしまいます。その負の連鎖の仕組みについては2009年に兵庫医科大学で検証されました。
ストレスと花粉症の関係は、顆粒球の異常増加が続いた時に起こります。その前提条件として、血液循環の悪化と血液のうっ血、そしてアレルギー原因物質の消化・排泄の不足、つまり新陳代謝の低下があります。
顆粒球だけを抑えてもアレルギーは解消しないのです。
免疫を分かりやすくまとめると以下のようになります。
血髄で作り出されるのは赤血球と白血球。
白血球は主に免疫を司る細胞
白血球
○単球(マクロファージ 巡邏警官、ホイッスルを鳴らして侵入者の存在を知らせる。)
○T細胞(統率された警察組織。通報を受けて出動する。)
●ヘルパー細胞(T細胞の司令官。
キラー細胞に出動要請。情報の公開。)
●キラー細胞(突撃部隊。敵を捕まえ、処刑する。)
●サプレッサー細胞(戦闘の終結、武装解除の仲介役)
○B細胞(敵情報の記録係。抗体と標的を知らせ、自らも戦闘を支 援。)
○ナチュラル・キラー細胞(誰の指示も受けずに適を監視、殺処分する殺し屋。)
○顆粒球(緊急のウイルスとバクテリア対策のために日中働く過激派自爆警察。)
免疫が異常行動を起こすのは、自然に反した生活を人がしている事に原因があります。
本来、人間の体は、過度のストレス、自然にはない加工食品の摂取、薬の服用、体が悲鳴を上げているのに鞭打って続ける過労、しなくてもいい心配や不安による神経の興奮状態などは、設計の中に入っていませんでした。
動物が経験しない全ての要素が、体に異変を起こすと考えて間違いないのです。
免疫のシステムは人工的に作られたものではありません。
もちろん人体そのものだってそうです。
人間の科学がいくら進歩しても、無から生を作り出すことだけは誰にもできません。
人体の生命活動を一部の医学だけが当たり前のように牛耳っているというのは、危険ではないでしょうか。
もう一度人体を自然に戻す生活が、病気と言う、狂った生体バランスを元に戻します。
免疫の異常は体が自然を失って生きていることに他なりません。
その第一歩として、裸足で野山を走り回ろう、という訳です。
そんなこと、できやしない、ということで、裸足でウォークマットの上を歩いてみたら同じことができる、と言うのが官足法の発見だったのです。
(c) LARK|写真素材 PIXTA
食事もなるべく自然にあるものを食べ、ストレスは避けられない事情があるにせよ、心のケアは自分でも見つけてゆかなくてはなりません。
他に何があるでしょうか。
病気は自分で作るものです。
自然に反している行動を見つけたらそれが全部原因です。
免疫は素晴らしい友人であり、ボディーガードです。
彼らにも働き安い職場を与えてあげなくてはなりません。
あなたが安売りしている体の、劣悪な環境の中で、何とかしろ、という方が無理なのです。
あなたが自分の体を大事にする気持ちは免疫細胞たちにも伝わって、あなたのために働くようになります。
足首と足の甲にある3ケ所(左右6ケ所)の「リンパ腺」の反射区は「リンパ球」を増やし、特に癌細胞に対する排除活動が活性化することが、官足法の歴史では体験として分かっています。どういう仕組みで?と聞いてこられる方もいますが、今のところ人体の持つ神秘としか言いようがありません。いつか科学で証明されたなら、医療業界に激震が走るでしょうね。
(c) SWAT|写真素材 PIXTA