膝
大腿骨と脛骨が出会い、関節として運動の中心となる部分です。
二つの骨は接着することなく、軟骨をクッションにして、関節包に包まれ、関節液に浸っています。更に外れることのないように、靭帯と筋肉が強く縛りながらも、必要なだけの可動域を確保しています。軟骨と軟骨の間には更に8の字のような半月板という軟骨があり、膝関節を守りながら膝の動きに合わせて位置を変えています。
また、膝の前方には膝蓋骨(しつがいこつ)、いわゆる「膝のお皿」が盾となって衝撃を受け止めてくれます。
晩年、膝が痛くなったり、動きにくくなったりして歩行難になる方はなぜそうなるのでしょう。
他の関節の項でもお伝えしていますが、ほとんどの場合、
・運動不足となって筋肉や靭帯が固くなってくること。
・全身の血行が悪化して、更に筋が固くなり、むくんだり水がたまりやすい状態。
・膝の裏の膝窩(しっか)リンパ節に老廃物が溜まり、血管を圧迫してしまう。
などのことが原因と思われます。
更に症状が悪化して膝軟骨が磨り減り、滑膜という組織に炎症が起きて痛むこともあります。これを変形性膝関節症と言います。
他に膝関節が痛むケースでは、半月版損傷や、リウマチによる関節炎があります。
リンパ節は免疫の拠点でもありますが、免疫力が落ちてくると逆に菌や悪性新生物の侵入を受け易い場所でもあり、腫れたり痛んだりすることがあります。
高血圧の上の方の数値が高いのは、この膝窩(しっか)リンパ節のしこりによって血管と血液に摩擦が生じるせいで、官足法では膝裏を特に良く揉んで高血圧を改善します。
膝を曲げて座ることも多いので、条件としては他よりも老廃物を溜め易い場所なのです。
高血圧の下の方の数値は足裏の老廃物が原因で、これも良く掃除することが必要です。
→高血圧の治療法について知りたい方はこちら
高血圧と言っても、白衣高血圧と言われるように、気持ちの変化によって血圧が上がってしまうものは、自律神経失調症の一種ですから、足裏や膝裏だけでなく、親指の裏側(脳下垂体・脳)を揉むことが必要になってきます。
膝の話に戻しましょう。
もう7~8年も前の話(2013年10月現在)ですが、健康のためのセミナーをしながら全国を行脚している先生がいました。この先生はある方法で足を引っ張るだけで、杖なしでは歩けなかったようなご老人が、手すりにもつかまらずに階段も登れるようになるまで回復させることができる技を持っていました。
他にも腰痛を治すのなんかは当たり前の如くその場で治すのです。
私も初めて施術を受けたときは、術前術後の違いに驚きました。
以来、先生のセミナーは6~7回聞いて回り、隠岐之島にまで同行させていただいたこともあります。私自身、やり方を教わってきました。
東京駅でお会いして元気なお姿を見たのが最後で、その直後に先生はお亡くなりになってしまいました。
先生の術は、膝の腱を引っ張って、筋を伸ばし、血液を流し込んで、膝全体を柔軟にし、筋力をつける、というもので、効果は絶大でした。
やはり、膝の健康は筋力と血行力だと思うのです。
最近テレビのCMなどでコンドロイチンという成分が何か膝に良さそうな感じでPRされているのを見かけます。
プロテオグリカンという軟骨を構成する物質が、軟骨細胞内で合成されるときに必要とされる物資がコンドロイチンです。
それではコンドロイチンを飲めば膝の軟骨は活性化するのでしょうか。
それは、まだ分かっていません。
軟骨細胞がプロテオグリカンを作る動きを活発にするものではないからです。
あくまでも膝の血行、膝の健康状態が主役で、働きを強制するものではありません。
当然のことですが、膝痛は、膝への負担はマイナスとなります。
かと言って運動を控える、ウオーキングをしない、というのはますます膝の筋力が衰えて良くありません。
膝に負担をかける要因としては肥満があります。
膝を治す前に体重を落とすこと。食事内容を変える努力も必要になってきます。
また、靴を見直さなくてはなりません。
ハイヒールやかかとの高い靴などは歩行バランスが悪く、膝に負担をかけます。
できるだけ裸足に近い靴が望まれます。
O脚が膝に負担をかけているケースもあります。
歩行時に自然とO脚を矯正するようなサンダルもありますので、こちらに紹介しておきます。
→O脚矯正サンダル・ビューティフル・ラボ
膝の反射区があるのは足の小指側側面、かかとの付け際あたりの窪みです。
→反射区図表を位置を確認したい方はこちら
揉み方は肩関節や肘関節の部位を揉むのと同様です。
健康棒などを強めに押し当て、痛みがあればそこでただじっとしていれば効いています。
官足法でできるのは全身の血行力を高めて、反射区刺激による膝関節の回復です。
ただそれだけに頼らず、減量や、適度の運動など、良いと思えることは何でもやるくらいのことは必要だと思います。