肩甲骨
三角形の形をした肩甲骨は、背中の両側にあって、上半身のバランスを取っている骨です。
そのため、融通が利くように、自身は不安定な状態で鎖骨につながっているだけ。
正しい位置からずれないようにしているのは、背中や胸の筋肉です。
肩甲骨は可動域が広く、制限なく自由に動くことによって、肩と腕をつなぐ役割をしています。
しかし、仕事などで前のめりの姿勢を長く続けることにより、肩甲骨は外側に開き、やがて可動域が狭くなって周囲の筋肉に血行不足を招くと、慢性的な肩こり、首こりにつながってゆきます。それは、僧帽筋や肩甲挙筋などの筋肉が、肩甲骨と一緒に体の外側へ引っ張られたままの緊張状態が続く、ということで、血行が悪くなり、乳酸がたまり、肩こりの痛みとなるのです。肩こりの痛みは交感神経を刺激してアドレナリンを放出し、血管が収縮してますます血行が悪くなる、という負のループに入ります。この状態をさびつき肩甲骨と言います。
肩や首の血行が悪い、ということから、顔やお腹などもたるんだり、むくんだりするようになり、どんどん老化の様相が現れてきます。
日頃からの姿勢になるべく気を使い、1時間ごとに上半身のストレッチを行うなど、肩甲骨のずれを解消するための体操は色々ありますので、是非お調べになって実行されてみてはどうかと思います。
また、肩甲骨のストレッチによってダイエットの効果もあると言われています。
肩甲骨とその周辺には、褐色脂肪細胞が多く集まっています。
褐色脂肪細胞は食事のあと、カロリーを燃焼してエネルギーに変える働きがあり、働きが大きいほど、ダイエットに貢献します。
褐色脂肪細胞が、肩甲骨の運動によって刺激を受け活発になり、カロリーを消費できれば、脂肪も燃やしてダイエットになると考えられます。
いずれにしても、肩甲骨、肩関節、股関節、膝関節、などのように可動域が広く、多くの運動に関係し、周辺の骨や筋肉によって便利に使われる部分というのは、適正に日々動かしておくことが最良です。もちろん使いすぎ、負担のかけすぎは故障の元ですが、使わな過ぎるのも老化(可動域が縮小する・血流を悪くする)の原因になりますから、大事に使いましょう。