副腎とは何か、副腎の機能と関連する病気、その治療法について

副腎


腎臓の上にちょこんと乗った可愛い三角帽子。
それが副腎です。
腎臓はそら豆や胎児のように見える恰好をしていますので、双子の胎児がかぶる帽子でしょうか。


ところで副腎って、何?
そうですよね。
福神漬けは知っていても副腎を知らないという方も多いのではと思います。


心臓の脈拍をコントロールしている器官、と言えば何となく重要性がお分かりでしょうか。
身体の色んな炎症を鎮める役割もあります。


「副腎」は内側と外側で組織と役割が分かれています。


副腎内部を「副腎髄質」と言います。
アドレナリンとノルアドレナリンというホルモンを分泌し、心臓の心拍数を調整したり、交感神経によって活動する体の営みをコントロールしています。興奮すると心臓がどきどきしたり、汗が出たり、血圧が上がって顔が赤くなったりする、そんな現象もこのアドレナリンによって起こります。非常時に心拍を上げ、緊張し、エネルギーとしてブドウ糖を血液に放出させるのも、人類が狩猟したり、敵から闘争する時に身体能力を上げる、野生の本能として備わっていたメカニズムです。


外側の部分を「副腎皮質」と言い、3種類の副腎皮質ホルモンを分泌しています。


①アルドステロン:塩分、水分、カリウムなどのバランスを調整している、電解質調節ホルモン。
過剰分泌になると、脱力感、四肢の麻痺、低カリウム血症、高血圧、多尿、代謝性アルカローシス(アルカリ性体質)などの症状、逆に分泌の不足では高カリウム血症、低血圧、代謝性アシドーシス(酸性体質)などの症状が現れることがあります。


②コルチゾール:抗ストレスホルモンとも呼ばれ、大変重要な働きをしています。血圧を正常に保つ役割があり、精神的な苦痛・苦悩や、過労や発熱、開腹手術などで身体が大きなストレスを感じた時、身体の平静を保持するために働くホルモンです。
体中の炎症を鎮めるために働きます。関節炎、胃炎、扁桃腺炎、咽喉炎、肝炎・・・いわゆる火消しです。火事が多くなったあなたの体にはなくてはならないもの、できればもっともっと働いて欲しいものです。
他にも脂肪の代謝を調節したり、糖の新生を促す働きもあります。
人間の生命維持装置とも言えるのです。


副腎不全になると、このホルモンの分泌が減少し、吐き気や頭痛、疲れやすく脱力感があり、急な体重減少や血糖値の減少などの症状に見舞われます。そのまま放置すればけいれんや意識障害にも至ることがあります。
治療法として、副腎が分泌できていない量のステロイドを注射する療法をとるのですが、それを急にやめてしまうと、副腎は今まで微量でも分泌していたステロイドさえ中止してしまうことがあります。


③副腎アンドロゲン(DHEA):男性ホルモンです。


ともかくこの副腎、神経反射の治療に使われる代表格で、「腎臓」「副甲状腺」と並ぶ、反射区治療の要です。


ストレスから身体を守り、緊急避難用のアドレナリンを分泌し、体中の炎症を見張って火消しをする。


小さいながら、機敏で強い若武者「牛若丸」が双子であなたを守っています。
本当に有り難い事です。


一つを失ってももう一つあるなんて思ってはいけません。
腎臓もそうですが、いざとなれば、一つを失っても生きてはゆける。
その考え方が既に負け戦です。


「いざとなれば」、は現代医療の限界を示しています。
現代医療は外科の分野、ウイルスの予防やワクチンの世界では目覚しい進歩をしています。
なのに、消化器系、呼吸器系の内科の分野においては、原因さえ見つからない問題が多くあり、ほとんどの場合、対症療法になります。
根本原因を治す薬は開発されません。
そこで、いざとなれば、切る。
寄らば切る、とお侍の時代にまで遡ってしまう訳です。


自分の体の自分の臓器を守るのは、それもやっぱり自分の体であり、その身体に宿を借りるあなたの考え方次第なのです。


自分の体は自分のもの。


本当にそうですか?


頭で色んなことを考え、色んな風に体も動かすことができる。
記憶して、分析して、判断して、計画して、あなたはたくさんのことをして来た訳です。
でもあなたが物を考え、自分の意思で体を動かしているその一方で、脳は別のことをたくさん行っています。
視床下部から脳下垂体に、脳下垂体から甲状腺やその他の臓器へ、多くの命令と監視と実行、生体を維持するための微調整が休むことなく行われています。
心臓はなぜ動くのか。
解明した人はいません。
あなたがその答えを知り、証明することができたらノーベル賞ものです。


あなたの体があなたのものなら、なぜ全てが自分の意思によってコントロールできないのでしょう。
積み木があなたのものなら、思うがままに並べることができ、重ねることができ、捨てることもできます。意思のままになんでもすぐに動かすことができます。


自分のものだけれど、自分で動かせないところがある自分の体。
それは自分のものと言えるのでしょうか。


「副腎」その小さなヒーローに敬意を持って日頃大切にしておこうとは思いませんか?
「副腎」の声が聞ける窓口は足の裏、人差し指と中指の間をしばらく下に降りたところにあります。その反射区は深く、骨と骨の隙間に眠っています。


溝の周りを掃除し、「副腎」の声に耳を傾け、お疲れ様と、マッサージを続けてあげれば「副腎」は元気になってゆきます。


「副腎」を切り捨ててはいけません。
それはあなたの命を削るのと同じことです。


さて、人間の身体は脳にダメージを受けると深刻な障害となってしまいます。物を考えたり、四肢に意思を伝える運動野もありますから、まず私たちが生きていく上で、とても重要な臓器です。これが臓器の王様と考えることができます。


次に、動きが停止すると即、死に繋がってしまう臓器としては、心臓、肺臓でしょうか。


腎臓、副腎、副甲状腺、肝臓、膵臓、脾臓などその他の器官も全て大事な器官ですが、身体の異常の多くに関係するのが、腎臓、副腎、副甲状腺です。


もし官足法の著書「足裏の汚れが万病の原因だった」を読んだ方であれば、もう一度読み返してみて下さい。病気別にマッサージが必要な反射区の一覧が、巻末に書いてあります。
それを見ていくと、多くの病気で、「腎臓」「副甲状腺」「副腎」がライトアップされています。


腎臓は分かるとしても、副腎や副甲状腺の何がそんなに大事なの?
と疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。


副甲状腺は別の項で説明していますから、そちらをご覧下さい。


副腎はストレスに関係し、炎症の鎮静にかかわり、心臓の脈拍をコントロールしています。


現代社会を行きぬくにはこれが元気でなくてはなりません。


例えばウォークマットをしばらく踏んだだけで不整脈が出なくなった、という人がいるのは、ウォークマットの粒が良く当たる場所に「副腎」の反射区があるおかげです。
もちろん誰でもそうなる、ということは言えません。
他に原因がある不整脈もあるからです。


ただ、ウォークマットを踏み続ける内にいつの間にやら人知れず、副腎が強くなり、縁の下の力持ちとなってあなたを救ってくれている、ということは意外に多いと思います。


注)副腎の反射区を健康棒(官足棒など)の先端で、ピンポイントで刺激しているとその内タコができてしまい、固くなって揉めなくなることがあります。足裏は、ウォークマットのような置き踏みタイプで行う方が無難で、手揉みよりも強い力で揉むことができます。


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