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血液は滋養に溢れた海 そして命の守人

店長です。


血液の中に何があるか知っていますか。


赤血球、白血球、血小板。


それに・・ああ、酸素と二酸化炭素、老廃物なんかもあったね。


生物の先祖は海で誕生し、やがて進化して陸に上がったと言われています。


だからでしょうか、血液の成分は海に近い。


ナトリウム、塩素、カリウム、カルシウムといった元素が海水のそれとほぼ同様の比率で含まれています。


海には地球上に存在する全ての元素が含まれています。


人間の血液中に存在するもの・・・それらは海と同様、無数にあるとも言えるのではないでしょうか。


しかし赤血球、白血球、血小板。
これらは海には存在しません。
人間の、生物としての証です。
そして、短命で弱いこの生き物を少しでも長く生き長らえさせるもの。
命の宅急便、命の自衛隊、命の修理屋さんたちです。


体重の8%を占める血液は、その5割を失うと人は生きられません。


血液がどれほど大事か、そしてどれほど無数の役割を持っているか、そしてそれを妨げるものやできごとは何か、これを考えることが、健康を考えることなのではないでしょうか。


「赤血球」


何となく、赤くて丸くて、そして真ん中が少し凹んで、そう、服のボタンのようなイメージ。
ありますよね?


しかもこれ、ものすごく柔軟性があり、簡単に変形します。
変形しても元に戻るので、形状記憶の性質もあるみたいです。
髪の毛よりはるかに細い毛細血管を通る時は、(本来の大きさでは通れないので)びよーんと楕円形になって通り抜ける。そして血液中をただぐるぐる回っている訳ではなく、生命の流通業者という、人間の命の全てを握っている訳です。


ご存知のように、赤血球は呼吸した肺から酸素をヘモグロビンに包んで運びます。もう、それこそ微に入り細に入り、過疎村であろうと離島であろうと、必要とあらば酸素をお届けする、いわば命酸素の宅急便屋さんです。途中の道路がどんなに込み合おうと、土砂崩れを起こしていようと、髪の毛のように細い道であろうと、届けなくてはなりません。でなければ細胞が死んでしまいます。配達先は60兆軒もあります。
届け終わるとそこではまた別の荷物を受け取ります。
それが二酸化炭素。
営業所(肺臓)に戻って廃棄します。
そしてまた次の荷物(酸素)を・・・の繰り返しです。


こんな働き者の寿命はたったの4ケ月、重労働なんです。
そして日に数万個の赤血球が誕生します。


赤くて柔らかいボタン。
覚えておいて下さいね。


「白血球」


自衛隊です。警察機能もあります。SWATも優秀。
国防軍と名を変えてもいい。
侵入してくる敵を排除。
内部で謀反をはかる組織の壊滅。
それが仕事。
なんだか物騒。
でもそのおかげで人は生きられる。


日々無数の雑菌が体内に入り、彼らが動いて抹殺する。
日々無数の新生物が体内で生まれ、彼らが芽を摘み取る。


それが白血球の主な仕事です。


そもそもこいつらは生物に違いない。


生きて意志をもって活動しているのだからそうだと思う。


心臓だって動いちゃいるが、体と繋がっている。
動かしているのは自律神経だ。


ところが白血球はどこにも繋がらず、独立して動いている。
頼もしい生物。そう思って大切にしたら良いと思う。
自分の体、血管、血液、リンパ節がこの生き物にとって住みやすい住処なのかどうか。
それを考えなくては健康は語れない。免疫という一言では済まされない。


この白血球、というのは免疫に関する細胞の総称で、いくつかの種類があり、組織化されています。「官足法の便利帳」で詳しく書いたので余り細かくは紹介しません。


大雑把に言うと、「顆粒球」(大きめの細菌担当、アレルギーに関係)と「リンパ球」(小さめのウイルス担当、がん細胞を食らう)と「単球」(血管を離れ細胞間を移動、最も大きい)の3種類があり、またそこからいくつかの種類に分かれます。


その組織の凄いところを一部ご紹介します。


「単球」はアメーバのように動いて移動します。外敵だけでなく、不要な細胞や、不良細胞をも貪食します。貪食、というのは、見つけたらすぐにむさぼり食う、ということです。
見回りのパトカーにようにいつも体内に不審者がいないかと、ウロウロしている訳で、有難うございます、ご苦労様、と言って労いたいくらいです。


新たな敵を貪食して消化した暁には、パトカーを降りて交番に留まり、通りかかった他のリンパ球に狩った敵の似顔絵を見せて知らせます。こいつは要注意だぜ、こいつは放っておいても良さそうだ、などと情報を伝えてゆきます。これを抗原提示と言います。
パトカーを降りて交番(細胞組織)の中に入ると単球はおとなしくなり、制服を脱いで変身します。これをマクロファージと言います。主な仕事はゴミ処理に変わります。
寿命は血液の中では1~2日なのに、細胞内では数ケ月~数年と長生きです。
やっぱりストレスの差でしょうか??


「B細胞」はリンパ球の一つです。リンパ球は副交感神経優位(リラックス時、睡眠時など)の時に良く働くと言われます。その内でもB細胞は変わり種です。
まず、飛び道具を武器にしています。体中にサスマタみたいなものをいっぱい突き刺していて、怪しい敵を見つけると、サスマタを使って捕えます。
捕まえた敵はお腹で消化して、首だけ残し、裁判官であるヘルパーT細胞さんという人に見せます(全体にヒト化しました)。
見せしめですね。怖いです。
裁判官は有罪か無罪かを決め、有罪ならこれを公布するためにB細胞に対し命令書を発行します。それにしたがってB細胞が大量発生し、お触れを全国にばらまきます。
命令書お?いったい何なのだろうかと思いますよね。
これはヘルパーさんなどが発する白血球界の言語(サイトカイン)です。
この言語でみなさん行動する訳ですね。
凄いことです。
そして新しい敵に対してB細胞は有効な武器を発明します。
抗体、とそう呼ばれています。
これを自国軍隊にばらまく訳ですね。


「T細胞」こそが防衛軍隊です。
免疫細胞全体の70%がこの方たちです。
完全に武装して集団で行動しています。
実に、手を合わせたくなります。


「NK細胞(ナチュラルキラー)」は殺し屋です。
命令書がなくても敵を認識する能力があります。
鼻が利くのです。仕事が早いです。癌が主食です。素晴らしい。


「サプレッサーT細胞」は仲裁人です。
免疫は狩りが過熱すると、そのために無害な細胞組織にまでダメージを与えることもあります。
そもそも、免疫細胞が敵を処理(殺す)のに使用する活性酸素というのは有害物質です。
こういったものを余り多く巻き散らかさないためにも、「もうその辺でやめときなさい」と命令するのがサプレッサー教授です。


「顆粒球」は交感神経優位の時(日中、労働中、ストレス中)に働くと言われています。
「好中球」「好酸球」「好塩基球」に分かれます。


「好中球」は現場急行型の爆弾処理班です。地雷も処理します。(喩えですよ)
爆弾を飲み込み胃袋で消化してしまいます。是非これからも頑張って下さい。


「好酸球」は寄生虫駆除係でした。かつてはとても大事な役目。ところが現代の日本では寄生虫に感染することは滅多にありません。働きの場を失った好酸球は、余計な仕事をしてアレルギーを引き起こす原因とされます。気管支喘息、花粉症、ジンマシンなど。
でも条件は皆同じ。どうしてアレルギー疾患を持つ人とそうでない人に分かれるのでしょう。
それはもう、結論があります。本文の最後で。
取りあえず今は好酸球はノーサンキューとダジャレておきます。


「好塩基球」はアトピーや喘息などの慢性アレルギー症に関係している係りです。
しかもマスト細胞と結託してアナフィラキシーショックという命に係わるアレルギー症状を起こすことが分かっています。マスト細胞というのは、アレルギーを引き起こす命令系(サイトカイン)を持ち、ヒスタミン(アレルギー反応を起こす化学物質)を放出する、という、仲間ではあるが白血球には属さないそんな人のこと。
まさか、そんなに有難くないものが本当に人体内で活躍できるものだろうか。
それこそ免疫の駆除対象になりそうなもの。
何か別の役割があるに違いない・・・と色々調べてもこの方の有効な存在意義が中々見つからない。ようやく一つ分かったことは、この人、人間がマダニに取りつかれ吸血する作業を阻止するということ。
マダニは山や森の木の葉の先端に身を潜め、動物が葉っぱにこすれた時、飛び移るようにして、そのまま吸血に入ります。血でお腹いっぱいになるまで1~2週間は離れないそうで、ぞっとする話です。病原菌を媒介することもあります。マダニの免疫を持っていると、マダニが皮膚に吸血針を刺すと、好塩基球がワサワサと集まってきて、マダニが血を吸いにくい状態にしてしまうのです。
何て不思議な・・・そして何て滅多に役に立たない話だろう。
好塩基球は、人体で炎症を起こしている場所に、「好中球」と「好酸球」を誘導する性質があります。とどのつまりは、「あそこで火の手があがっているぞ、何か外敵の仕業かも知れないから、お前たち、集合して調べてみてくれ。」と言う役回りなのかも知れません。


あさて、最後に「血小板」のこと。


この人も凄いですねえ。


血管が破れるとすぐに気が付いて集まってくるんです。
普段は何もしてないただの円盤なんですがね。
血管の穴に集合して、まずはセロトニンという、血管を収縮する秘薬を巻いて血管を絞り、その後みんなで何本もの触手をニョキニョキと出して、赤血球と白血球を抱きこんで縛り、にわかに土嚢を作るんです。これをたくさん積み上げて血管の穴を塞いで行く。
まさに奇跡ではありませんか。こんなことが私たちの知らないところで勝手に行われているんです。


さて、血液中には他にも多くの物質が含まれています。検査の対象になっているだけでも、ALT、AST、HDLコレステロール、LDLコレステロール、γ-GTP、アミラーゼ、アルカリホスファターゼ、アルブミン、インスリン、カリウム、カルシウム、グリコアルブミン、クレアチニン、クレアチンキナーゼ、クロール、コリンエステラーゼ、タンパク質、ナトリウム、血糖、総ビリルビン、中性脂肪(トリグリセリド)、直接ビリルビン、鉄、乳酸脱水素酵素、無機リンetc・・・


これが何かなどは覚える必要もありませんが、血液には多くの必要・不必要の物質が循環している、ということが分かれば良いのです。


全てを「血漿」という血液を構成する水分が包括し、広いところにも細いところにも流れ込んでゆく、という大自然が人体を営んでいるのです。


血は時には急流の如く、時には大洋のごとく、自由自在に人体というプチアースを回流しなくてはなりません。ところが知らぬ間に足裏や膝裏にダムを作ってしまった。流れの悪くなった血液は流れの悪い川の如く、汚れが溜まり、ドブ化してゆきます。
そのことが腎臓という血液のフィルターをも詰まらせ、腎機能が落ちてしまいます。
そして益々血液は汚れる訳です。


こうなると、そうでなくても変形してまで毛細血管を通り抜けてきた赤血球も、遅延が生じてきます。お中元とお歳暮時期の宅急便状態になるのです。
必要なのに届かない、酸素が届かない、食事も届かない、60兆個の細胞が飢えています。


それだけではありません。
組織化され、独自のコミニュケーションで活動する白血球(免疫細胞)にも異変が起こります。
統制が取りにくくなる、到着が遅れる、汚れ過ぎた血液で見通しが悪くなり、判断を誤る(喩えですよ)。こうして免疫による自傷行為(アレルギーなど)が発生。逆に見落としも多くなる(癌細胞が成長)。兵隊が足りずに苦戦する(感染症・風邪ひきなど)。


日課として掃除すべきは血液です。
足裏や膝裏に溜まった老廃物です。
もう、口を酸っぱくして言い続けてきました。
その背景には、血液がどんなに凄いのか、大事なのか、ということをお伝えしたかった。


店長でした。

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