健康と靴
靴と健康は密接な関係があります。
官足法では一番重要視する、足の裏や足指の血行を阻害するのが「靴」です。
裸足が一番いい。
といっても、裸足で外出する訳にもいきません。
そこで、何より靴が重要なのです。
「外反母趾(がいはんぼし)」のある人には「花粉症」や首から上の障害が多く出ています。
それは、足の指が靴によって締め付けられ、足指にある首から上の器官(頭、鼻、目、耳、口、喉など)につながる反射区という末梢神経を鈍感にしているのです。
血行が阻害され、乳酸などの老廃物がしこりとなり、足指はいつも冷たくなっているはずです。
足の血行は全身の血行を握っています。
ひとは足の先から死んでゆくと言われ、亡くなる直前の方の足は黒ずんでいたり、黄疸が出ていたり、腫れてむくんでいたりまします。
官足法という健康法の基本は、まず、靴選びです。
それから今まで蓄積させてしまった老廃物をもみつぶして、元の健康な足をとりもどすこと。
なぜ足もみで足から遠い肩や首から上の問題が解決できるのでしょう。
1つ目は単純です。
足の裏に溜まった汚れは必ず血行を阻害しています。
水道管が詰まれば水の流れは悪くなります。
詰まったパイプに水を流そうと思うと、水を押し出す強い力が必要です。
人体ではそれを心臓に強いることになります。
すると、血圧が上がったり、心臓に負担がかかって、心臓を徐々に弱らせます。
また、体の重要な各臓器への新鮮な血が行き渡らなくなり、各臓器も弱ってゆきます。
充分な機能を果たせずにいます。
血液同様、免疫を司る白血球(リンパ球)の流れも悪くなります。
風邪を引きやすくなり、インフルエンザなどのウイルスに対しても抵抗力がなくなります。
体外からの異物を攻撃するための役割であるリンパ球は、指令系統が乱れ、本来攻撃すべきでない正常な体の細胞や、無害な「花粉」などに対しても攻撃を仕掛けたりします。
こうして「花粉症」ができあがり、「癌」の原因にもなってゆきます。
足の裏と心臓の関係は密接です。
当然肩や首から上の血行にも影響は大きいです。
足の裏は頭のてっぺんまでつながっているのです。
2つめは「反射区」というもの。
いわゆる「足つぼ」とはイコールではありませんが、理屈では同じです。
足の裏には人体の末梢神経の60~70%が集中していると言われています。
末梢神経は体の各臓器につながっており、末端を刺激することで、各臓器に何らかの影響を与えます。(自律神経という、私たちの意志とは関係なく臓器を動かしているもの)
もっとも知られているのは、各臓器への一時的な血の送りこみ。
一定の時間マッサージすることで、反射区に対応する臓器が目覚め、周囲の血行が活性化します。また、「胃」のように運動する臓器は、食事を取ってない時でも反射区マッサージで蠕動します。血行が良くなることで、臓器は温まり、自らの悪い部分を修復しようとがんばり始めます。
裸足で野山を毎日歩けるなら、自然に足はマッサージされているのと同じ。
足を締め付けるものもありません。
しかし、現代社会の中では、舗装された道路や階段を歩かなくてはなりません。
そこでどうしても重要なのが、靴の選び方になります。
ぞうり、下駄は理想です。でも余り普通に履ける機会は少ないようです。
サンダルも良いのですが、指をしめつけるタイプのものもあります。
靴であれば、幅広の靴、本来のサイズより1~2インチ大きいサイズのもの、履いて少しブカブカ感を感じるものが良いのです。