肘関節(ちゅうかんせつ)
肘鉄を喰らわす、という慣用句があります。
武器になるほど肘は強いというイメージがあるのでしょう。
頬杖をつく時には、両肘が杖の先端になって支えます。
こんなことができるのも肘が丈夫であるからこそです。
肘関節とは上腕と前腕をつなぐ連結部分のこと。
基本的に骨と骨は接着しておらず、自由に動くような工夫がなされています。
上腕骨は1本ですが、前腕(掌につながる方の骨)は、橈骨(とうこつ)および尺骨の2本あり、それぞれが上腕骨に接して関節を作っています。
それを靭帯がしっかりと包み込んで、可動域を確保しながらばらけないように縛っています。その上に腕の筋肉が繋がり、自在に動かせるようになっています。
誰がこのようなものを設計したのか、というくらい複雑にうまく出来ています。
肘の痛みは、膝関節や股関節の痛みと同じものです。
その代表が変形性肘関節症であり、変形性膝関節症なら膝、変形性股関節症なら股関節、理由は同じもの、という訳です。
その長い負担と疲労によるものを一次性、骨折や脱臼、激しい運動による損傷は二次性と名づけられるのも同様です。
肘の痛みは肘関節(ひじかんせつでなく、ちゅうかんせつと読みます)への長期の負担で、軟骨が磨り減ってしまったり、骨が変形したりして痛みを感じるものです。
膝関節、股関節の項でも解説しておりますが、確かに無理な使い方や負担をかけることで肘がやられるのは間違いないでしょう。そういう使い方をしていなくとも、リウマチ性のもので関節が痛むこともあります。
しかし皆が皆そうではない、という事実もあります。
違いは肘関節の血行にあり、自己修復力が充分発揮される環境にあるかということ。
手の指先がいつもひんやりと冷えている、時々手がしびれたようになる、朝方指の関節が曲がりにくい、などの覚えがある方は、肩から手までの血行が不足しています。
当然、肘関節にも血液が足りていませんから、靭帯、筋肉が硬くなりがちで、関節の内部、軟骨や関節包(かんせつほう)の内張りである滑膜なども脆くなってしまいます。
同じ条件でも血行力不足の方の方が関節は脆い、ということです。
肘関節はには膝関節や股関節のように体重がかかりませんから、使うときだけ、あるいは使った後にだけ痛む、というので、何となくそのままにしてしまう傾向が強くなります。
ただ、それにしても悪条件が続いていることを忘れてはなりません。
やがて肩が上がらなくなったり、いよいよ肘関節痛が増したりと、決して良い方向には行かないと思われます。
官足法では、まず全身の血行を改善しながら、肘関節の反射区も利用する、ということを解決法として提案しています。
肘関節の反射区は小指側側面、かかとのやや前方、膝関節の反射区とつながっています。
揉み方は肩関節や股関節の部位を揉むのと同様です。
健康棒などを強めに押し当て、痛みがあればそこでただじっとしていれば効いています。
→反射区図表で位置を確認したい方はこちら
これは、肘関節の問題だけでなく、身体全体の問題でもあります。
これから身体を蝕むかもしれない難病から身を守る術でもあるのです。