基本的体質改善法
官足法の基本は、まず体質を改善することにあります。
体質改善とは、「病気になる素質を持った身体」を「健康になる素質を持った身体」に変えることです。
簡単そうに言いますが、まず、そんな方法があるならお目にかかりたい、と思うのが普通で、ある、と言われても怪しいものだ、と思うのが常識人でしょう。
しかし、その常識を覆し、おおかたの予想を裏切り、全くの不可能を可能にしてきたのが官足法であり、その事例はこの30年超の歴史に満ち溢れています。
それは全くもって同様に、同じ道を進んできた、若石法という健康法にも言えることで、この二つは多少ルーツや進み方は違っていても、向かう先は同じであったことは誰にも否定できません。
足つぼや反射区という言葉が先行して、つぼを揉めば病気も改善できる、と思ってしまいますが、それ以前にもっと大切なことがあります。
私たちの身体は、60兆個もあろうかという細胞の全てが、血液の働きによって生かされています。
その血液が運んでくる酸素と養分が必要であり、全ての細胞の生命線です。
不要になった二酸化炭素と老廃物も血液が回収し、肺が二酸化炭素を吐き出し、腎臓や肝臓で老廃物が処理されています。
問題はその血液の循環が悪くなってしまった時です。
血行が悪いとか、血行不良自体はまだ病気ではありません。
血行の悪さから腰、背中、肩、首へと凝りが生じます。
この段階でもまだ病気ではありません。
真の怖さはその先にあります。
かの偉人、野口英世博士もその著書で、「すべての病気の原因は酸素欠乏症である」と訴えています。
酸素の欠乏=血液の循環不良が招くのは、人体の全ての細胞を病気にする可能性です。
それはどこに現れるか分かりませんが、個人個人の潜在的弱点であったり、食生活の内容であったり、職業や生活環境によって過度の負担を与えている場所であったり、様々な事情によって違いが出てきます。その人の今、最も弱いところが狙い撃ちされることが多いようです。
官足法の最初の書籍、足裏健康法のバイブルとも言える書籍「足の汚れが万病の原因だった」というタイトルには、足の汚れ、すなわち足に溜まった老廃物が万病の原因である、という意味が込められています。
足の裏は全ての血液が通過してゆくべき所です。
そこに長年の老廃物が溜まって血液の流れをすっかり阻害してしまうから、「全身に至る血行不良=細胞酸欠」が起きるという理屈です。
なぜ足の裏かと言うと、最も心臓から遠く、重力に逆らって血液が登ってゆくスタート地点でもあり、なおかつ地面との圧迫を強く受け、更に靴に締め付けられて、老廃物が溜まる条件が整っているからです。
逆立ちをしてしばらくすると頭に血が上ってふらふらしてきます。
それほどの重力で血液は足に溜まり、その重力を跳ね返すだけの血行条件が常に必要です。
歩くときふくらはぎの筋肉の緊縮と緩和がポンプの役割となって血液を上に戻す手伝いをすると言いますから、人が歳を取って段々歩かなくなる、というのもマイナス要因に違いありません。
他にも膝裏や足首、身体のどこにでも老廃物は残りますが、ほとんどが足裏に集中していると考えられます。
それが、足裏を強く揉んだり、石ころの上を裸足で踏んだときの激痛として現れます。
しかりその痛みに耐えて数ヶ月足裏を揉むことにより、嘘のように痛みがなくなってゆきます。
痛くて当然、ではないのです。
もう年だから、と言って済ませてはならないのです。
老廃物は初めは小さなものから、徐々に堆積して集まり、踏み固められ、更にその上を何層にも重ねられて最後は結晶のような固さにまでがちがちに固くなっています。
それが常に血管(特に毛細血管の被害が甚大)を圧迫し、血液の通りを悪くしています。
血液の流れが足裏で悪くなり、ふくらはぎから太腿、腰から背中、肩から首へとうっ血してこれが凝りとして自覚できるようになるのです。
また、指先の末端の毛細血管に血液が巡らないために、指先から冷えてゆき、末端冷え性、慢性冷え性にもなってゆきます。ふくらはぎで血液が渋滞し、夕方にむくんでくる、更に歳をとって下肢静脈瘤が出てくるなど、下肢で四苦八苦する血液、それもほとんどが足裏の老廃物のせいなのです。
足裏を強く揉んで時間をかけて全ての老廃物を取る、ということができれば、今まで足裏で血液に待ったをかけていたものがなくなります。ベルリンの壁、ではないですが、邪魔者が崩壊して上下を自由に行き来できるようになります。血液の話。
これが最初の、「健康になる素質」ということなのです。
なぜなら、「酸素欠乏(血行不良)が万病の種」であるなら、
「血行良好は万病を防ぎ、更に万病を解消する第一歩」であるはずだからです。
これが、足裏を揉んで揉んで健康になる、という馬鹿みたいに単純ですが、やってみれば激痛で顔がゆがむ、という官足法の信条です。
それから、もう一つ、血行と同じくらいに大事なことがあります。
良く聞いて下さい。
それは、血液の浄化です。
一時、ドロドロ血、という言葉がテレビの健康番組などで良く使われていましたが、これが食べ物の嗜好のせいだけ、と思われ勝ちでしたし、実際そのような取り扱いでした。
しかし、血液をどろどろにするのは食事だけではありません。
血液を浄化しているのは腎臓があるからこそ。
腎臓が血液中のゴミ、老廃物、不要物をフィルターとして濾し取り、尿に入れて排泄してくれるのです。身体の右と左のダブル腎臓で行うのは、一つでは間に合わないほどの作業になるからです。ですから、この腎臓が超健康であれば、それほど心配は入りません。
減塩、低カロリー、無糖やら低脂肪など、神経質に食を考えなくても大丈夫です。
ところが、この腎臓も、血液循環の悪化に伴い、機能が落ちてきます。
大抵の人が、「正常の範囲」と言われる検査結果に安心しますが、「正常の範囲」に落とし穴があります。100点満点中80点以上なら合格(正常)とされているとしたら、80点は安心でしょうか。20点分の機能は果たせていないんじゃないでしょうか。
腎臓は100点満点が良いに決まっています。
血液を綺麗に掃除してくれる器官だからこそです。
腎臓が100点でないなら、取り切れていない老廃物の一部が身体のどこかに溜まるでしょう。血液に余分なものが混ざって体内を巡るとき、そうでなくても循環が悪くなっているのに追い討ちをかけるでしょう。毛細血管を血液が通りにくくなるのは、重たい血液のせいです。
腎機能は決して80点で満足してはいけません。
100点満点であって欲しいのです。
足を良く揉んで血行が良くなると、腎臓にも良い影響があります。
あるいは悪条件から開放されるでしょう。
そしてここで、ようやく足裏のつぼ(反射区と同意ではないが、ほぼ似た考え方で存在するもの)が役に立つときが来ます。
官足法が「腎臓」「輸尿管」「膀胱」の反射区を、まず最初に揉むことから始めましょう、と言っているのは、腎臓の活性化こそが健康への鍵を握っており、輸尿管~膀胱と正常に流れ、老廃物を根こそぎ尿で吐き出すことが大事と考えているからです。
反射区は、対応する臓器器官と神経で繋がっているとされ、一定の刺激を続けることで臓器を活性化し、弱っている部分があれば自己修復機能が働いて改善してゆくというものです。実際、胃の反射区は約5分で胃が活発に動き始め、腎臓の反射区であれば20分頃から血液が集まって温度が上昇し、活性化していることが分かります。
これは某テレビ局の実験で行われました。
腎臓は深い位置にある反射区です。
それ故効力が届くまで20分もかかるので、官足法の名器「ウォークマットⅡ」を踏むときは、最低20分は続けましょう、というのです。
「老廃物を取る」「踏んでいる間血行を良くする」という目的に続いて、「腎機能を活性化する」という目的があり、それが重要だからです。
腎機能はその時だけ活性化する、ということではありません。
それが常となって、いつでもどこでもフルで活躍してくれる強い腎臓を作るために行うのです。
腎臓の反射区をどう強く揉んでも涼しい顔。足裏もどこもなんともない。
それができたら、あなたは「健康になる素質を持った身体」を手に入れたことになります。
あるいはもうその時には「健康になったなあ」と実感してにんまりしているかも知れません。
そうでなくても、素質さえできれば、あとはいくつか足裏以外の反射区をいじる、足りてない場所を揉むなどして仕上げをします。
こうして難病を克服してきた方の例は枚挙にいとまがなく、今も延々と実績を重ねている、というのが、官足法の真骨頂、喜びの極みでもあります。