肩こり解消のツボ
30歳も過ぎてくると、段々肩こりでない人を探すほうが難しくなります。
子供の頃から青年期にかけて、肩こりなど気にしたこともなく、大人が肩こりで辛そうなことなど他人事でした。
ところが、いつの頃からか、肩がだるくなり、肩を回して、首をひねって、自分でもとんとん叩くと肩が凝っているのが分かるようになります。
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頭痛にしても胃痛にしても肩こりにしても、何年何月何日に突然襲ってきました、などという記憶がなく、気がついたらいつの間にか悩まされることが多くなっています。
意外と覚えているのが花粉症でしょうか。
何歳くらいの春に突然現れた鼻の粘膜の不快感。鼻水とムズムズ。
単なる風邪だったら良いのにと思ったれど、長引く症状は明らかに花粉症。
その時のショックで意外に覚えているものです。
ところが肩こりなんていつ頃からかなど、はっきり覚えていません。
昔からだったような気もするし、酷くなったのは最近のような気も。
じわじわと、ひっそりと異変は起こってゆくので、ある日パッと気がついた方などいないでしょう。
時を同じくして、かどうかは分かりませんが、足の裏にもじっくりと異変は起きています。
普通に生活している限り誰もそれに気がつきません。
年のせいか疲れやすくなった、動悸や息切れなど健康上の不安を感じた、そんな時にふと街の足裏マッサージ屋さんのお世話になってみたりする。
そこで、始めて、足の裏が「いたたたっ!」ということになります。
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初めて足裏を揉んでもらったが、それはもう痛いのなんのって・・・。
実は笑い話で済ませてはいけないのです。
元々人間の体は四足の動物と同じ設計でできていた訳ですから、二足歩行になって、色々と不都合が出てきました。腰痛に肩こりです。重い荷物を持って腕をぶらりと下げて歩くようなことは、四足の動物はしません。ミーアキャットは立ち上がって遠くの敵を気にしますが、ずっと立っている訳ではありません。
立っている間、腰には負荷がかかります。
腰痛も肩こりも共通することは、血液のうっ血で起きていることです。
なぜ血液がうっ血するのでしょう。
単に血の流れが悪いからです。
きれいにスムースに血液が循環していかないからです。
本来の姿勢ではない、肩と腰にそれが顕著に現れます。
そもそも全身の血行が悪いのです。
なぜ全身の血行が悪いのでしょうか。
若い頃に体を冷やしすぎた。食生活も偏っていたように思う。
職業的に肩や腰にひどく負担をかけた。
血管が細くなった、狭くなった、固くなった。
血液がどろどろだ。心臓の力が弱くなった。
体のあちこちに何か悪いものが詰まっている。
大抵どれも正解です。
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血液は、本来ちゃんとした血管という通り道が確保されていなくてはなりません。
その血管が収縮したり、固くなったり、汚れが付着して狭くなったりすれば、当然流れが悪くなります。
血液自身も、きれいな小川の水のようであれば、スルスルと血管を通り抜けてくれるであろうはずなのに、色んな不純物が混ざって、どぶ水のようであれば、色んなところで淀み、溜まりをつくってしまいます。それがうっ血の正体です。
うっ血して凝りがあるところをトントン叩くと気持ちがいい。
でも肩凝りがそれですっきりと解消した、などという話は聞いたことがありません。
もちろんその時はすこしうっ血も散って楽になった気がしますが、血液と血管の状態が変わった訳ではありません。加えて心臓の拍動が弱いことも治せません。
すぐにまたお馴染みの肩こりです。
体のあちこちには何か不純物が詰まって堆積して血流を阻害していることが一番の問題なのです。その顕著な場所が足の裏であり、次いで足全体、ふくらはぎ、膝と膝裏、太ももからももの付け根までということになります。
とにもかくにも、足裏の詰まりが最もひどい、80%は足裏に問題あり、とそう考えて間違いないのです。
さて、ここまでは全身の血行が肩こりや腰痛の大元の原因であることをお伝えしました。
もちろん、肩や腰に負担がかかるようなお仕事や生活をなさっている方は、そのことが拍車をかけることになっていることもあります。
官足法、という健康法の考え方は、全ての病気や辛い症状は、血行の状態に始まるということです。ですから、その血行を阻害することになった、老廃物の詰まりを足裏から膝上まで完全になくしてしまえば、どんな病気であれ、改善、完全治癒に向かうこと間違いなしという確信を持っているのです。
その後に、あるいは同時に「反射区」という神経の末梢的反射効果に対する期待があります。一般に言う「ツボ」のことですが、針灸などで使われるツボとは、位置も名称も効果の行き先も違うため、反射区という言葉を使います。
「肩こり」を治す反射区はあるのでしょうか。
答え、「あります」。
猫で例えるなら足の肉球のところですね。
土踏まずが始まる境目から、足の指に向かって2cmほどのエリア。
それが「肺と気管支」を刺激する反射区ですが、ここから更に指の付け根までの2cmほどのエリア。それが「僧帽筋」の反射区エリアです。
首と肩に刺激を与えるスイッチが僧帽筋の反射区です。
右足には右半分、左足には左半分に対応する神経反射区があります。
ウォークマットのような、足踏みで反射区を刺激できるツールを使った場合に、最も良く当る場所の一つが、この「僧帽筋」反射区です。
15分を超えて刺激を続けると、サーモグラフでも分かるほどに「首・肩周辺」の血行が促進され、温度が上昇します。
もともと血のうっ血で起きているのが肩こりですから、この反射区の刺激は、肩たたきよりもはるかにもってこいの対処法なのです。
うっ血の状態によって個人差があることは予めお伝えした上で、この肩こり、そして首凝りに悩まれる方の多くは、「僧帽筋」反射区の刺激で楽になることが数多くの実例で分かっています。
更に、頑固な首こりに悩まれる方の場合は、「首」「頚椎」の反射区である、親指の付け根を良く良く刺激する方法を考える必要があるかも知れません。
恒久的に肩こり・首こりにならない体質を作り上げるには、反射区刺激で楽になったことに満足せず、足裏全体を良く揉んで、こびりついた血液のカスを取り、全身の血行を良好にすることが大切です。
それは同時に万病への予防対策になっています。
肩こりは万病への予告編に過ぎません。
是非、まだ大事には至らない今だからこそ、ご自分の体へのテコ入れを行っていただきたいものです。
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